生返事ばかりしてると思われて
急に顔を覗き込まれたからビビる
顔が赤いのがバレそうだからって
もう耳たぶまで真っ赤だからバレてた


隣で話す君が僕のことを考えてるのが
痛いほど分かるから何も言えなくなった
押し黙る僕を見ても君は訝らなくなった
笑いながら手を繋いでそれを握り返す

不器用だろって呟いたことがある
褒めることも伝えるのもできなくて
脈絡のない言葉を吐き捨てるように
その言葉を拾って君は愛おしく包む

「それでもいい」なんて言われたらもう
自虐的な気持ちには逃げ場がなくて
あたふたする僕を見て君は少し笑う
今だって何が良いのかさっぱりなんだ


「私のどこが良い?」って聞き返される
期待した瞳でがまるでビームみたいに
もごもごと言い淀む口に耳近づけ
大体全部だよって言うと納得した

「嬉しい」の一言で握りしめる強さで
感情は表されていくのに言葉は拙い
どうしたら届けられるかを考えても
思い浮かべた100分の1も口にできない

生まれたての赤ん坊じゃないんだから
その言葉を知っている発音もできる
言わないと卑怯な気分にしかならない
それでもやっぱり伝えるのは難しい


なにを習ったってどこへ通ったって
それは誰も教えてくれるわけじゃない
積み重なった衝動が降り積もる脈動が
その時を待つように今も眠り続けてる


ポケットからもたもたと取り出す箱は
ラッピングがクシャクシャで綺麗じゃない
今渡せなかったら二度と渡せないと思い
何も知らない君の前に差し出してみる

差し出した指先ごと包み込んだ手のひらに
雨でもないのに小さな水滴が零れてくる
笑顔の口元なのに溢れた涙が頬を伝う
いつもと違う君から目が離せなくて

箱の中身だって大したものじゃない
もっと良いものが世の中にはたくさん有る
世界に一つだけのものを見つけたように
箱の中身をそっと身につけて笑う


言葉はどこへ行った口はなんのためにある
自問しても解決はしない答えも出ない
今目の前にいる君が嬉しそうにするだけで
それらが全て一瞬で吹き飛んでしまう


僕の心はそのプレゼントの100倍は好きだ
気絶しそうなくらいの想いで伝えると
「じゃぁ私はその1万倍好きだよ」
言い終えるとまた手を繋いで歩き始める

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

百万倍の大好き

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投稿日:2021/12/08 07:17:25

文字数:948文字

カテゴリ:歌詞

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