記憶に残る初めての雪は
暖かく甘く
真白に煌めいていました
其の中に佇んでいた貴方も
 
髪を長く下ろしていたのは
泣いている横顔を見せたくないから
 
貴方が撫でた処だけ痛い
降り積もっていく淡い私の心
 
 
舞い堕ちていく灰色の雪花
哀しくても祈ってはいけない
神に奪われる物は
もう何一つ無いでしょう
 
 
私は今 白い丘に独り
居ない貴方を待ち続けて
 
 
黙して目線合わせるだけで良かった
キリキリと痛い
赤く逆剥けて腫れた指越しに
わざとらしく雪涙流す空
 
 
『綺麗だ』と貴方は言って呉れた
大嫌いだった烏色の髪
 
もう幾度と冬は輪廻って
私だけが此処で歩けない壗で
 
 
指で溶けていく灰色の雪花
忘れられる筈が無い
最初で最後の貴方
もう出逢うことは出来ない
 
 
髪を伸ばすことはきっと無いでしょう
貴方が褒めた黒髪
はらはら白雪に散った
 
 
ただ一つ確かな事

『貴方に逢えてよかった』
 
 
冷たく澄んで散る星屑たちが煌めいて
赤く一筋の河を照らす
 
舞い堕ちていく灰色の雪花
哀しくても祈ってはいけない
神に奪われる物は
もう何一つ無いでしょう
 
 
此の丘が赤く染まる頃
私も貴方の処まで


 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

雪華

忘れられない人が居る。あれはちょうど初雪の降る季節でした。音をつけるならしっとりとした、それでいて疾走感のあるロックバラードを所望致します。この作品を複製・頒布する場合は御一報下さい。

閲覧数:69

投稿日:2009/02/05 01:51:01

文字数:527文字

カテゴリ:歌詞

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