第2回目の講座はイコライザーについてです。
イコライザーとは略してEQとも呼ばれます。
イコライザーはもともと電話のために開発されたものでした。
昔の電話は長距離になると高域が落ちてしまうので、それを補正するため使用されていました。
イコライザーには2種類のタイプがあり、パラメトリック・イコライザーとグラフィック・イコライザーと呼ばれるものがあります。
パラメトリック・イコライザーとは周波数を上下させると横線がカーブを描くイコライザーです。
ほとんどのDAWに標準搭載されているイコライザーはこのタイプです。
グラフィック・イコライザーとは周波数ごとにスライダーが付いており、それが横にずらっと並んでいるイコライザーです。
ハード機器のイコライザーはこのタイプです。
基本的な使い方ですが、調整する周波数を決め、ブーストもしくはカットといった形で使います。
さらにQあるいはフリケンシー(freq)と呼ばれる幅を調節できる機能があり、これを調節して幅広くブーストしたり、一点だけを部分的にカットしたりします。
またDJやシンセサイザーを扱う人にはお馴染みのフィルターの役割もこのイコライザーと同じです。
ここからはパラメトリック・イコライザーのパラメーターについて解説していきたいと思います。
操作説明はパラメトリック・イコライザーについて行いますが、グラフィック・イコライザーでも手動で同じように行うことができます。
イコライザーはポイントごとにタイプを変えることができます。
基本的なものは『ピーキング』、『シェルピング』、『ハイパス』、『ローパス』の4つです。
メーカーよってはこれ以外のものもありますが、ここでは割愛します。
ピーキング:設定した周波数の周辺のみブーストもしくはカット
シェルピング:設定した周波数のより下もしくは上をブーストもしくはカット
ハイパス:設定した周波数より下をカーブを描いて全てカット
ローパス:設定した周波数より上をカーブを描いて全てカット
ピーキングはピークやベルとも呼ばれることがあり、ハイパスやローパスはカットオフなどとも呼ばれることがあります。
またカットオフと同系統のものに『レゾナンス』というものがあります。
レゾナンス:カットオフのようなカーブを描いて、設定した周波数の近辺だけブースト
また、メーカーによっては『MS処理』が行えるものがあります。
MSとはMid Sideの略で名前のとおり、音場の真ん中に来ている音と外側の音をわけてイコライジングすることができます。
MS処理の機能が付いてないEQでも、MSでわけて書き出したオーディオデータを使えば同じことができますが、書き出し方についてはここでは割愛したいと思います。
MS処理は単体の楽器にかけることはほぼないので、とりあえず初心者は気にしなくても良いかと思います。
次に周波数の探り方を解説していきたいと思います。
おそらく耳障りな部分を少しカットしたい、楽器の音がぶつかるなどという状況も度々あると思います。
ここではカットすることを前提にやっていきますが、ブーストの場合も同じです。
1. まず最初にQ幅を広めに設定し、ざっくりとカットします。
2. そのまま耳障りな部分が小さくなるまで周波数を動かして探します。
3. 見つかったら徐々にQ幅を狭めつつ、その周波数の周辺を探します。
4. 必要最小限のQ幅まで狭められたら、今度はカットする音量を決めます。
これで必要最小限だけかけることができます。
ここで1つ注意して頂きたいのが、カットした情報は後から足すことができないので、カットするかどうかは慎重に判断するようにしてください。
音質を変化させる目的でなければ、ボリュームやパンなどのフェーダーワーク行って解決しなかったときのみ、EQで調整することをお勧めします。
イコライザーに関して理解して頂けましたでしょうか?
次回はコンプレッサーについて解説していきたいと思います。
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