第4回目の講座はリミッターについてです。
リミッターは音を抑える働きをするもので、各パラメーターの動作はコンプレッサーとほとんど同じです。
ということで、パラメーターの説明は重複となるので省略します。
わからない方は前回の " MixTips #3 コンプレッサー " の項目をご覧下さい。
ここでは、1つだけリミッターのパラメーターの補足を入れたいと思います。
Ceiling [シーリング] :アウトプットと同じで、出力レベルです。メーカーによってはこのようになっています。
前回で少しクリップについて触れましたので、ここではアウトプットレベルの設定について解説したいと思います。
通常、作業するときはほとんどの方が-0.1dbの設定をしてクリップを防いでいるかと思います。
しかし、書き出しの際は少し異なります。
ミックスとマスタリングは別のプロジェクトファイルで作ることがほとんどだと思います。
ひとりで全て行っている方でも別のプロジェクトファイルで作ることをお勧めします。
理由はリマスタリングが必要になった際に修正がしやすいのとプラグインによるDAWの負担を軽減できるからです。
話が逸れましたが、まずはミックスの場合から見ていきましょう。
よく出力レベルが低めな方がいらっしゃるのですが、ミックスでは『-0.1db』でも問題ないです。
勘のいい方は気づかれたかもしれませんが、" でも " なんです。
どういうことかというと、実はピークを目安にはしないのです。
では、何を目安にするのか?
それは『RMS』というメーターを目安にします。
これは人間の聴覚上に近い音量を測定するメーターで、一般的に言われる " 音圧が高い " というのはこのメーターの数値が高いのです。
アルバムで曲の音圧を揃えるためにマスタリングで調整するということもありますので、ミックスの段階ではある程度の音圧があり、且つダイナミクスを保持した状態が望ましいです。
正解はないので人によっても様々ですが、具体的な数値としてはだいたい『最大が-15db』ぐらいを振れるように作ると良いと思います。
RMSメーターはプラグインに搭載されているものとされてないものがあり、またRMSメーターのみのプラグインがあったり、DAWのメーターに標準搭載されていてピークとRMSを切り替えたりと様々です。
基本的にはマスタートラックの数値を見ていくので、プラグインの場合はマスタートラックの最後にインサートしてください。
では、次にマスタリングの場合を見ていきましょう。
ミックスではDAW上の作業のみに気をつけていれば大丈夫でしたが、マスタリングではそうもいきません。
DAWでは-0.1dbであればクリップしなかったのが、『他のメディアで再生した場合にクリップする』ことがあります。
そのため、通常は少し多めにマージンをとります。
具体的な数値としては『-0.3~-0.5db』です。
次にマキシマイザーについて少し解説していきたいと思います。
マキシマイザーとはリミッターの一種です。
音圧アップを目的としているため、リミッターよりも音圧が上げやすくなっていますが、リミッター以上にプラグインの個性が強く、音色の変化が大きいです。
モデルによってかなりの差が出るので、いろいろ試してみることをお勧めします。
自分の使いやすいもの、楽曲に合うものなどで使い分けできると良いかと思います。
ぜひ自分好みのものを見つけてみてください。
リミッターに関して理解して頂けましたでしょうか?
次回からはいよいよミックス編に突入します。
音圧について解説していきたいと思います。
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