ゆらゆら、ゆらゆら。
頭がぼーっとする
顔から脚まで、身体中が
熱い。
「…レンくん」
さっきから何度も名前を
呼ばれているのに気がついた。
「ん……」
重い瞼を無理矢理開けると一瞬視界がぼやけた。
そこに居たのは見覚えのある青年。
「レンくんっ!」
「カイ……ト、兄?」
声に出したら喉がイガイガして、咳込んでしまった。
「ケホッ、ケホッ…」
「大丈夫?」
背中をさする大きな手。
5~6回辺りで落ち着いてきた。
「う゛…///」
ものすごく気持ち悪い。
というより気分が悪い。
「レンくん、リンちゃんと遊んでる時に倒れちゃったんだよ」
そう言われてハッとなる。少し動かすだけでも痛い頭を横にすると、心配そうな顔をしたリンが居た。
「じゃあリンちゃん、レンくん部屋に連れてくから体温計と冷えピタ持ってきてくれる?」
涙目でこくんと頷くリン。それを背にカイトは上着を脱いだ。
「けふっ…//」
あぁ、だるい。
1人起き上がろうとしたものの、無理があった。
その時変な感じがしたかと思いや、目線はカイトと同じくらいになっていた。
どうやら抱き上げられたようだ。
いともあっさり軽々と。
「寒いでしょ」と言って上着を背中から羽織る形でコアラの様にカイトに抱っこされるレン。
くたっと力が抜けるから、手は肩に置くような感じだ。
「辛いよね、もうちょっと我慢できる?」
優しい声掛けにこくんと頷く。
レンの自室は二階の一番奥だから、ここ一階のリビングからは結構距離がある。
ゆらゆら、ゆらゆら。
大きくて安心できるカイトの胸に身体を預ける。
青くて綺麗な髪が鼻の先に触れてくすぐったい。
階段を一段一段丁寧に上る。
何だか心地よかった。
「着いたよ、」
そういうとカイトはレンをベッドに降ろす。
ベッドはやけに冷たくて、寂しさを感じた。
「今リンちゃんが色々持ってくるはずだからちょっと待っててね」
カイトは布団をかける。
そのかけおわった手はレンの額へと置かれた。
「冷たっ…」
「レンくんが熱いんだよ」
クスッと笑うカイト。
その手の温度で初めて熱があることに気付く。
「カイト兄…っ」
「カイト兄!持ってきたよ、遅くなってごめんっ」
「リンちゃんありがと^^」
リンはベッドにレンの姿がないことに疑問を持つ。
「あれ?レンは?」
カイトは微笑し、自分の腕の中を指差した。
あぐらをかいているカイトの脚に、身体に、もたれ掛かるようにしてすやすやと眠っているレンの姿があった。
背中にはレンには大きすぎるカイトの上着がかけられている。
「あはっ レンの特等席だ」
こっちのが早く治りそうだねって言いながらリンはレンの額に冷えピタを貼った。
カイトは微笑みながらレンの頭を優しく撫でた。
End
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シベリア
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カイレン小説GJです!!
レンが風邪をひいたら付きっきりで看病したいですね
兄さんに抱かれてるレンも羨ましいな…
何気にリンがかわいい^^
次も楽しみにしてます!!
2011/04/30 21:50:39