私は初音。
私はなんだかわかる?
私は台風。太平洋を毎年襲う、台風よ。
9月中旬のある日。
鏡音家ではリンが栗ご飯を作り、レンは曲を作っていた。
「レン、なんか風出てきたから洗濯物取り込んできてくれる?」
「ん、あ~わかった」
リンの言葉でレンはいすから立ち上がる。
ベランダに向かうレンに、一筋の風が通り過ぎた。
「・・・おおっ!?」
レンが階段を上がるとすぐに、ベランダのドアがばたんと開き、突風が吹きぬける。
ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・
「・・・な、なんだ?」
レンには、かすかに聞こえたらしい。
台風のささやきを。
・・・・・・甘く見ないでね・・・・・・・
レンは風で乱れた髪の毛を直しながら、リンに話しかける。
「リン、今回の台風、ただもんじゃなさそうだぞ・・・」
レンが何気なく漏らした感想に、リンは興味を示しながら話す。
「ん?どういう意味かな、それ。確かにこの季節にけっこう大型の台風来るけど。竜巻でもおきてた?」
リンが冗談交じりに何気なく言ってくるが、レンはちょっといろいろなことを考えていた。
「俺の空耳か、やっぱり・・・」
そうレンがつぶやいたとき、また不意の突風が窓の隙間から吹いてきた。
びゅううううううううう・・・・・・
・・・・・・本気なんだからね・・・!
ちょっと怒り気味のようだった。
レンはもう気にしなくしたのか、また曲作りのために机にむかった。
リンは当然、栗ご飯を作っている。リンが見ていたニュース番組に、天気予報がやっていた。
「超大型の台風は、現在日本列島に急速に接近中です。しかし、その威力等は気象衛星でも観測できていない状態です」
「うう~、さぶっ」
巡音ルカは、コンビニからお茶を買い、帰ってきたところだった。
その帰り道、すがすがしいほどの土砂降りに見舞われた。
おかげでルカはびしょぬれだ。
「さっさと風呂はいろっと」
浴槽にお湯をため、くしゃみする。
「ああ~、風邪引いたかもしんない・・・」
そう言いながら、相変わらずのきらびやかな衣装を脱ぐ。
グラマラスな体をふるふると震わせながら風呂場へ足を踏み入れる。
・・・と、そのとき。換気扇の隙間から突風が吹いた。
・・・・・・さぁ、巻き込まれる準備はできたかしら・・・・・・
びゅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「いやぁぁぁぁぁぁん!!さむぅっ!!」
ルカは冷たい風を受け、身を縮める。
すぐにお湯につかり、はぁっと息を手に吹きかける。
「もう台風の季節だなぁ・・・」
ちゃぽん、と肩までお湯につかるルカだった。
ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・
メイコ宅では、カイトとメイコは外の庭でマシュマロを焼いている。
カイトの勝手な思いつきなのだが、メイコも甘いものが食べたかったようなので、現在こうしている。
バーベキューコンロで何十個ものマシュマロを焼いていくのだが、さすがにマシュマロのみではつまらないと、メイコは家の中からケーキを持ってくる。
「メイコ、おい。ケーキなんか焼く気か!」
そのカイトの言葉にメイコはケーキを外のアルミテーブルに置きながら言う。
「えっ?べつに焼くわけじゃないけど。マシュマロの甘いついでにさ・・・」
そこまで言うと、すごい風が庭に吹き付けた。
・・・・・・用意はいい・・・・・・?
べちょ。
ケーキが風でひっくり返り、カイトの顔にぶち当たる。
風が止み、しばらくすると顔からクリームが落ちる。カイトは手で顔のクリームを落としながら、わなわなと体をこわばらせる。
「・・・この、風がぁぁぁぁ!!!むっかつくぜ!!」
メイコはまあまあとカイトを落ち着けるためにマシュマロを口に入れてやった。
・・・・・・ここから、私の大惨劇が始まる。
威風堂々と南のほうからやってきた。
私はこの季節に人気があってね。
無様な人間たちが気象衛星ってので私を見てるらしいけど。・・・まったく、甘く見ないでほしいわ。
1000000m/sなのよ。気をつけて・・・
もう太平洋沿いにゆっくり進んでるよ。もうすぐだから・・・
レンが天気の異常に気づき、家の戸締りを確認し始めた。
きょろきょろと暗い外を眺めると、風に飛ばされる紙や空き缶があった。
ふふ、私の第一警告だよ。ちゃんとわかってくれるかな?
レンは私の脅威がわかるのか、すぐさまドアを厳重に締め切った。
その後、レンはリンとの食事に移った模様。
・・・・・あはははは、さすがだねっ。いいよ。そろっといくから、覚悟しな☆
別に他の人々に興味はないけど、私にはひとつの目的があるの。
・・・・・・君に、会うこと。
ドキドキしてるわ。ハート型の低気圧・・・
周りをみんな飲み込んで、猛威を振るうわ!
・・・予測できない進路で・・・!!
「くるくるまーくのすごいやつ」
うずまく気流に乗って君まで会いに行くわ!
左回りに回転っ♪時間だってさかのぼるわ
私が始めてかしら?お見知りおきを・・・
くるくるまーくのすごいやつ・前編
大好きです、この曲。
小説にしちゃへんですね、やっぱり。
すいませんでしたぁ><;
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不明なアーティスト
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