いついつか本当に
会いに来てくれるのだ
そう信じて待っていた
まるで願い叶わぬ事なんて
この世には無いと
言い張るかのやうに深く
けれど力なく…

貴方はいつもそうだった
守れぬほどの
秘密携え
それでも足りぬと装って
人から人へと
零れるくらいの秘蜜を
渡り集めた…
其れは…残酷な程に
他人の不幸噺を聞き知っては
新たに新たに手を伸ばす

いついつか本当に
会いに来てくれるのだ
そう信じて待っていた
されど願い叶わぬ事なんて
この世には見知る以上にも
数知れぬ程
在ると言うのに…

貴方はいつもそうだった
忘れるほどの
約束携え
誰彼構わす優しく
戯れ言を囁きかける
『痛いだろう？』
『辛いだろう？』と…
表面上だけ憐れんで
その人自身触れられない
傷口にそっと甘美な毒を
塗りつける…

いついつか本当に
会いに来てくれるのだ
そう信じて待っていた
けれど願い叶わぬ夢なんて
この現八百万の神々の
御言葉より
熱を持たない

誰かきっと気づける
貴方の口車に乗った
愚鈍すら超えた我が身に…
………でも
気づいた時にはもう遅い
塗り込んだ毒の疼きは
息もつけぬ程絶え絶えに
死しかその双眼には
映らないのだから…

いついつか本当に
会いに来てくれるのだ
そう信じて待っていた
だから願い叶わぬ事なんて
この世には無い…
と言い切りたくも
貴方は其れを知らしめる

いついつか本当に
会いに来てくれるのだ
そう信じて待っていた
されど願い叶わぬ夢なんて
この世には…
其処で誰もが口を紡ぐ
貴方の手のひら恐レテ…

嗚呼…
イツイツカ本当ニ
会イニ来テクレルノダト
ソウ信ジテ待ッテイタ
マルデ願イ叶ワヌ事ナンテコノ世ニハ無イト
言イ張ルカノヤウニ深ク
ケレド力ナク…

そして…
後の世は貴方
物語るためにこそ在れば…其の旨…
いずれ示さん…
だから
誰誰か我が声背負っては
語って語って語って…
其れこそが…
数多溢れし
我が真なる願い…

『懺悔スベキハ、語リ部タルコノ噺カ…
コノ身ソノモノコソカ…』
『ケレド紡イデハ知ラシメヤウゾ、
浅ハカノ化身デ在リシ己砕イテハ…』