白い優しさ





「お姉ちゃん!手紙が来てるよー。すごく綺麗な便箋・・・・」
「見せて・・・?」
・・・これは・・・・。
一番聞きたかったけど、一番聞きたくなかった事。
「誰から~?」
「・・・。女王陛下からね・・・。」
「わ~お姉ちゃん、すごい!女王陛下から直属の手紙が来るなんて!」
「そうね・・・。でもね?ミク。そうしたら、お姉ちゃんは・・・・。お姉ちゃんは・・・。」
涙がこぼれそうになる。目を力いっぱい閉じて、下を向く。
ミクに見られたらみっともない。お姉ちゃんの私が我慢しなきゃ。
「ん~?お姉ちゃん?読んじゃうよ~?」
「ダメよ。これはお姉ちゃんの物だから。」
「え~見して~見して~」
「メ!これは大事なものだから、いつか時が来たら話すから・・・。」
「むぅ~わかったよう!じゃぁっ、じゃぁっ、時が来たら必ず話してねっ!」
ミク・・・。ごめんね・・・。話せないかも知れない。
ミクはまだ7才。理解できる訳ないよね?お父さんもお母さんも共働きでめったに家に帰ってこないのに。お姉ちゃんまでいなくなるなんて、ミクには、つらいよね。
でもね?この手紙に書かれた期間が1ヶ月。ミクには理解できない話かもしれない。
そもそも、普通の人には、"やつら"の存在を知らない。"やつら"を知るのは、ごく一部の人間だけ・・・。きっと、ミクは"やつら"を狩りに行く、なんて突然話したら、驚くだろうな。それ以上に、阻止するだろうな。
どうして、こんな時に出すの?女王陛下。
ねぇ?どうしてこんな時に、収集状なんて、出すの・・・?
・・・・。
数日考えたけれど、やはり、決めた。私は、1人で黙って行く。ミクに危険な目にあわせたくない。
そのためだ・・・・。
「のため、しゅ、しゅっとぉ~めーれーを出す・・・・。ハク・・・どの?」
!?しまった。油断した。
「しゅっとーめーれー・・・ママとパパも仕事のしゅっとーめーれーで、いなくなった。。。・・・!お姉ちゃん!行かないで!」
「大丈夫よ。ママが帰ってくるから・・・。」
「いや、お姉ちゃん行かないで!」
「ミク・・・。だめよ。お姉ちゃんは行かなくちゃいけない。ミクやママやパパを守るために行くの。我慢して?ネ?」
「やだやだやだ~1人にしないで~!!」
「1人にしないよ。お姉ちゃんはいつもそばにいるよ。」
「嘘だ!だって、行っちゃうんでしょ」

ミク・・・。納得させるのは無理なの・・・・?・・・。いや、アレがあったわ!
「ミク?これ見てみて。ママとパパがお姉ちゃんとミクのために買ってくれたネックレス。これ2つでようやく1つになつの。これをね?こーすれば・・・。ほら?お姉ちゃんのが、ミクのにくっついた!、だからね?これを持ってお姉ちゃんがいつもそばにいると思って。」
「・・・・戻ってくる・・・?」

「うん。」「絶対?」「うn「絶対!?」「・・・うん。絶対戻ってくるよ。」
この世界に絶対なんて言葉は無いけれど、でも絶対戻ってくるよ・・・。



漆黒の刻





『この世界の昔は、時間が流れていて、人は死んだ後、成仏して、天界で幸せに暮らすのだ、と。』
でも、今のこの世界は違う。
人は生まれ、そして死ぬ。その道程は変わらない。
だが、人はその後成仏しない。
なぜならば、この世界に時間は流れていないのだから。
昔の皇帝は、この世界に動力が無いことを知った。
どこの世界にも絶対動力があるとは限らないのだ。
この世界の資源が尽きればこの世界も止まる。
皇帝は命を出した。
『ならば、時を止めよう。そうすれば、きっと資源の消費はなくなるはず。』
時を司る神の子孫である繋人、ユキを皇帝の使者たちは封印した。完全に・・・。
ユキは幼く封印するのには楽だった。
だが、問題がおきた。
時が止まったせいで、この世界から時というものがなくなった。
人は死んだ後、時を求めてさまようようになった。
さまよう魂が増えた。
そんな事あが許されるのか?でも、そうでもしない限り、この世界は救われない。
ならば、しょうがない・・・。この世界は、そういう世界に生まれてしまったのだから。
そして、それは伝承となり、ついには一部の人間しか知らない話になってしまった。
僕たちには、もう、選ぶ道などない・・・。選ぶ道は0.01の可能性とて、ないだろう・・・。
だが、今の皇帝、正しくは、女王陛下は違う。
それを許さなかった。だから、何百年も封印されてきた者を壊した。
魂は少し成仏したが、世界は悲鳴を上げた。
女王陛下はこう言った。
『時を止める必要はない。どうせ人は死ねば"必ずという言葉の意味"を求めてさまようのだから。』
死んでからも世界のため動くべき。と賛成するものがいた。
死んでまで働かせるのか。と反対するものもいた。
そんな現状だった。
反対するものはユキを再び封印し、時を止めようとした。が、ユキは消息不明。

この絡んでしまった世界に、可能性はあるのか?
それすら、わからない。
この世界は、ただ、ただ、時間と共に、滅びの道へ進んでいった。
そんな所だった。
"やつら"が現れたのは・・・。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

この国のどこかで。-1/2-

ここら辺眠くてストーリーごっちゃですので注意。。
繫ってなってるところがあったら、そこは「繋」っていう字が入ると思ってください、

閲覧数:81

投稿日:2010/03/03 19:20:04

文字数:2,123文字

カテゴリ:小説

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