初恋メロディー 双子蜜柑 そのろく



「はぁあ?まだ帰れない?なんで~~?」

レンは当然の様に「帰れない」と言ってきた



 『しょうがないじゃん、3人でやってたらたまたま昔のヤツ等が来て

 10人ぐらいになっちゃって、みんなバスケできるから

 みんなで総当りやるか!ってなっちゃったの。

 そんで今、総当りやってるから帰れません。無理です。悪りぃ』

「え~~~?何それ~~?なんとか帰れないの?」

手伝ってあげるって言ったのに…

 『みんな久々に会ってマジになってるから無理だね。

 しかも買ったらみんなから100円ずつ貰えることになってるし、

 帰るに帰れない。つーか100円は魅力的だから絶対勝ちたいっ。』

100円より私でしょ~?何よそれ~?

「え~~?100円なんていいじゃん~?帰ってきてよ~?

みんなとはまた今度会えばいいじゃん?レン~」

 『無理。嫌だ。絶対勝つ。』

何で妙に意気込んでるのよ?

「え~~?私と仕事、どっちが大事なのっ!?」

 『ん~~?どっちもかな?選べない。』

マジで答えやがったっ!

「ん~、じゃあなるべく早く帰って来てね…

訳が意味不明になってて困ってるのは本当なんだから…

合ってるかどうかよく分かんないの。この教科書かなり変なの。」

私が困っていることをアピールすると

 『んー、がんばる。』

いつもの調子の言葉が返ってきた

「…じゃあね…」

プッ、ツッー、ツッー……

電話を切ってベッドにポイッ、投げた

むぅ~、

レンが私を捨てた~、ヒドイよっ!

レンが手伝ってくれる、って言ってたからなんとか頑張ってたのに、

あぁ~もう無理です。はいやる気ゼロです。リンさん墜落です。

とベッドに私も墜落した

はぁぁぁぁ~~~

と盛大なため息を吐き出していると、

ぴろ~ん、と携帯が鳴った

ん?

「何さ?誰さ?何用じゃ?」

もそもそ動きながら携帯を開き、画面を見ると

 『勝っても負けても何か買ってきてやるよ。何がいい?』

とレンからメールが来た

マジでっ!?

えっとじゃあ、じゃあ…

がばっ!と起き上がりレンに送るメールを考える

何がいいかな?

クレープは食べたし、アイスも食べたし、えっと、えっと…

色々と考えてから

そーだっ!

レンにメールを返した





視点変更 リン→レン



携帯を見てるとリンからメールが帰ってきた

そこには、

 『ビーフジャーキーとビールと、それからエロ本』

と書いてあったので

 『おっさんかっ!?』

とツッコムとすぐに

 『杏仁豆腐が食べたい』

と帰ってきた

 『分かった。買ってくるから宿題もうちょっと頑張れよ』

と返した

こうでもせんとリンはやる気なくすからな…

勝ったらいいけど、負けたら出費だ…はぁ…

でも訳が分かんないってことは、まぁ真面目にやってたんだな。えらいえらい

まぁこれで帰っても終わってないんだろうなぁ…めんどくせ…

携帯をしまうと

「お~い、今度は俺とレンの番だぞ~やるぞ~」

俺が呼ばれた

「おうよっ!」

そう言って立ち上がると、

「お前に勝って、俺が優勝してやるっ」

とボールを渡された

「ここでなんとしてもお前の優勝を阻止してやるからな」

俺とコイツは優勝候補だったのだが、俺がコイツに負けると

コイツは9勝1敗になり、俺は8勝2敗になって優勝できない

今は両方とも8勝1敗なのだ

勝てばみんなから100円ずつ、負けたら自腹で杏仁豆腐…

勝たないとなぁ…

「なめんなよ?レ~ン?」

「お前こそな…じゃあ行くぞ」

お互いに構える

「かかってきなさい」

ダッ!

相手の言葉と同時に走りだした





そして……負けた…





「ちっっっっくしょぉぉぉぉーー!!」

俺は地面に手をついて叫んだ

「あのシュートが入れば逆転だったのにぃぃーー!!」

「危なかったぁ~~、いや~、ギリギリだった~~」

友達も隣で地面に座ってる

お互いにマジでやったので、ぜぇはぁと息を吐きながら

「指が当たらなきゃ入ってたのに!!くっっそーー!!」

「良かった~~、何とか止められた~~、あっぶね~~」

勝負は均衡だった。

ただ、最後に1点差で負けそうになっていた時、俺が

コイツを振り切ってシュートを打ったとき、コイツの指がボールに

当たったのだ。

本当にかなりギリギリのタイミングで指が当たった。

そのせいでシュートコースがずれて、シュートが入らなかったのだ

「俺の勝ちだからな~~、いえ~~い……はぁ、苦し……」

そう言ってピースを俺にしてくる

くっそぉー!!

マジで悔しい!!

ちくしょぉぉーー!!

「……ちくしょ~~」

俺はふらふらと立ち上がって蛇口に向かい、

じゃー!

と水を出し、頭から水を被った

バシャバシャバシャッ!!

「冷てぇぇーー!!」

そう叫んで頭を出し、頭を振って水を飛ばすと

「…俺も~~」

友達も水の下に頭をつっ込んで、

バシャバシャバシャッ!!

「冷てぇぇーー!!」

俺と同じように叫んだ。



俺と友達がTシャツを脱いでそれで頭を拭いていると、

「じゃあみんな100円出して~」

と100円を回収しに来た友達に

「くっそ~~、あれが…あれが…」

往生際悪く100円を渡した



100円を回収し終わると友達の1人が

「この後どうする?せっかくみんな集まったからどっか行く?」

そう言うと

「じゃあさ、みんなで……」


友達の1人がある提案をした





視点変更 レン→リン


レンが買ってくる杏仁豆腐を待ちながら、再び宿題を私は頑張っていた

あ、あと2行で終わる…

よ、よくやった、お前は頑張った、リンッ!!

かなりグロッキーになりながら最後の2行の文を訳す

た、倒れてぇ~

もうシャーペン握れない…無理……手ぇ痛い…

そして、

「終わった~~、疲れた~~」

ようやく宿題を終えることができたので、シャーペンを離し

机に突っ伏しながら手を見ると、少し黒くなっていたのでティッシュで

ゴシゴシと拭き取った

こんな長い時間、机に向かったことないから…つっかれた~

はぁ~~

ため息を吐いて

 『宿題は終わったよ~、疲れたよ~~、早く帰ってきて~~

 杏仁豆腐食べたい~、今すぐ食べないと死んじゃう…

 脳みその糖分が全部無くなってかなりヤバイです。

 早く帰って私をヘルプミー レーン~~』

レンにメールを送り

あぁ……疲れた……あぁ……お風呂に入んなきゃ……はぁ……

疲れた自分の体を何とかお風呂に入れた





視点変更 リン→レン


やばいやばいヤバイッ!!

夜11時の街を俺は全力疾走していた

右手にはガサゴソと、杏仁豆腐が入ったコンビニ袋が揺れていて、

左手は携帯を握りしめている

何てリンに言おう……いや、言ったら怒られる!!

なんで行ったの!?って絶対に言う!!絶対に怒る!!

やっっっっべぇぇぇぇ~~!!


バスケの後、友達が提案したのは

「じゃあさ、みんなでカラオケに行くか!」

その誘いに俺は当然の様に

「おっ!いいねぇ~行こ行こっ!」

と言ってカラオケに行ってしまった

馬鹿か俺はっ!?

しかも30分ぐらいで出て行くつもりが結局1時間半もいた

やべぇ…遊んでたなんてリンが知ったら怒られる!!

リンのメールに気付いたのはカラオケ店を出てからだったので、

メールを着信してからは20分経っていた。

携帯を見て俺は

やっっっべぇぇぇーー!!

そう叫んでコンビニで杏仁豆腐を買って、走り、


そして今

がちゃっ!!

家に入り、まっすぐにリンの部屋に上がり、がちゃっ!とリンの部屋に入って

「ごめんリンッ!!バスケの後にみんなでカラ……」

叫びながら部屋に入ったけど、

「………」

「…リ………ン……?」





リンは何も言わなかった

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

初恋メロディー 双子蜜柑その6

初恋メロディー双子蜜柑のその6です。

レンが水浴びをするで思い出したんですけど、未来音符も双子蜜柑も

5月の話になります。

未来音符が月曜と火曜の話で、双子蜜柑が火曜と水曜の話です。

閲覧数:61

投稿日:2011/11/09 14:17:16

文字数:3,357文字

カテゴリ:小説

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