こんなに雨が止んで欲しくないと思ったのははじめてのことだろう。







 まだ君と離れたくないからかもしれない。

 絵本を読んでと縋る君も、一緒に本を読んでわからない漢字を頻りに私に聞く君も。

 なんだって可愛いんだ。守ってあげたくなるんだ。










 母親だから当たり前だろうけど……。それでも。








 晴れたら――きっとあなたは外に出ていくことだろう。







 でも、今は外に出なくてもいいんだよ。この時間が、一番いとおしい。

 だから――今はまだ目を合わせてはいけないんだ。










 君が世界を――季節がめぐるその世界を好きになって欲しいから。









 だから、マリーにこの言葉を最後に残します。













 マリー、愛してる。






おわり。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

群青レイン【二次創作】

「チルドレンレコード」の自己解釈小説(http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1258180)が10ブクマの大台に乗ったのですこしおまけとして書きました。

閲覧数:323

投稿日:2012/08/21 11:05:11

文字数:378文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました