最近、彼とすれ違っている気がする。
一緒に帰ろう、と話しかけてもゴメンと何回断られたことか。
デートだってろくにしてない。
だから1人で切ない気持ちを抱えて家に帰る。
どうして?って聞きたいけど、我儘な女の子は嫌われちゃう。
でも1人でいると、いつも思い出すのは彼との思い出ばっかり。
あの幸せな日々は何処へ行ってしまったんだろう?
あの時の笑顔は何処へ行ってしまったんだろう?
彼の心は今、何処にあるんだろう?
彼は、どうして私を見てくれないんだろう?
彼は、あの時の思い出を忘れてしまったんだろうか?
記憶は薄れていくって言うけど、そんなことない。
彼とのデートは、全部覚えてるよ。
重い女の子って皆は言うかもしれないけど、恋する女の子は皆そうなんじゃないかな?
昨日は私の誕生日だった。
でも彼は学校を休んだ。
1番祝って欲しかった人がいなかった。
コレはさすがに悲しかった。
私達はもうダメなんだろうか?
お願い答えて。
そうじゃないよね?
まだ間に合うよね?
深い溝なんて、すぐ埋められるよね?
また彼と笑いあいたいよ。
彼は今日も学校に来なかった。
どうしたんだろう?
もしかして、私の顔が見たくないから?
嫌な考えばかり浮かぶ。
授業なんて頭に入らなくて、入ってくるのは過去の彼の言葉ばかり。
彼はいつも何を考えてるんだろう?
もともと少し不思議な人だった。
でもあの時は私のことだけ考えてくれたんだろうか?
今でも・・・?
私はいつだって彼のことだけ考えてるよ。
だって、今もこれからもダイスキだもん。
頭を冷やすために屋上へ歩いた。
風はいつもより冷たく感じて、彼の温かい体温を思い出した。
性格は少し冷たいのに、いつでも体温は温かかった。
その温もりがダイスキ。
彼の笑顔もダイスキ。
彼の全てがダイスキ。
冷たい性格だって、不意に見せる優しいところも。
「あ~、こんなんじゃ、ますます好きになっちゃうじゃん・・・。」
涙が滲む目を拭って空を見上げた。
雲1つ無い、綺麗な青色をしている。
私の心もこんな空みたいになりたいな。
ガシャンッという音が聞こえたのは、その少し後だ。
ビックリして振り返って見たのは、さっきまで考えていた彼。
「クッ・・・クオ?」
なんでココに?
いやそれ以上にビックリしたのは、なぜかスウェット姿。
「どっ、どうしたの?」
まさかココで私はフラれるのだろうか?とか、また嫌な考えが広がる。
「・・・ゴメン。」
「なっ、なにが?」
クオの表情がくもって見えて、私も不安になる。
本当に終わってしまうのだろうか?
もう手遅れなのだろうか?
自然と体と声が震える。
「・・・別れるの?」
恐る恐る聞くと、クオは驚いた顔でコチラを向いた。
まさか図星?
「なっ、別れるわけねーだろ!」
「・・・えっ?」
「俺が謝ったのは、誕生日の日に祝えなかったから・・・。」
「・・・覚えてたの?誕生日。」
「当たり前だろ、そのためにこれまでバイトして・・・・あっ!」
しまったという顔で私から顔をそらした。
バイト?
何のことかサッパリ分からない。
「バイトって?」
あ~もうっ、と言ってクオはポケットから小さい箱を取り出した。
可愛くラッピングされている。
「・・・本当は昨日渡そうと思ってたんだよ。」
ボソッと呟くクオは、少し照れていた。
「・・・もしかして、これ買うために今までバイトしてたの?
だから、私と帰らなかったの?」
「・・・まぁ。」
嬉しすぎて、膝の力が抜ける。
ガクッと座り込んだ私を心配そうに見つめるクオ。
そんなクオに追い討ちをかけるかのように、涙が零れた。
さっきまでの涙とは違う。
「おいっ、大丈夫か?」
「うぅっ、私ずっとクオに嫌われたのかと思ってた・・・。」
「はっ!?俺が?」
「だって、いつも冷たいし。」
「・・・それはもとから。」
「でもでも、デートもしてくれなかったし・・・。」
「・・・それは悪かった。」
バイトが・・・とブツブツと言い訳しているクオがちょっと面白かった。
今度はプッと笑うと、いきなりクオの表情がムスッとなって余計に面白い。
でも・・・良かった。
誤解で絡まった糸がスルスルと1本の糸に戻っていくように、私の心のモヤモヤも晴れていく。
「ミク・・・悪かった。
そんなに考え込んでるとは思わなかったからさ・・・。
言い訳すると、昨日熱が出て・・・。」
「えっ?ちょっと、大丈夫!?」
「今はもう大したことないけどさ・・・今日も休めって言われて。
そしたら・・・」
クオはさっきとは逆のポケットから携帯を取り出してメールボックスを見せた。
そこにはリンからのメールが映っていた。
2011/ 9/ 1 15:39
From リン
Subject 無題
-----------------------------------
クオ!!
あんたミクの誕生日忘れてんの?(怒)
ミクすっごく悲しそうだったよ!
ミク泣かせたら、百万回殴るからね!!
覚悟しなさいよっ!!
----END----
「ったく、物騒なメール。」
「リンらしいね。」
クスクス笑ってると、クシャッと頭を撫でられた。
私の好きなあの笑顔。
見てるだけで心が温かくなるあの笑顔。
「でもリンのおかげで、誤解も解けたし。」
「そうだねっ。」
「あっ、そうだ!コレ、開けていい?」
「あぁ、いいよ。」
シュルっとリボンを解いて、箱を開けると、そこには可愛い指輪に細いチェーンがとおっているネックレス。
「・・・可愛い。」
「ほら、学校だと指輪は無理だろ?
だから卒業まではネックレスにしておけば身に付けれるし。」
「すっごく嬉しい・・・。」
嬉しさに浸っていると、突然我に返ってあーーーと思わず叫んだ。
「クックオも昨日・・誕生日だったよね!!?
どっ、どうしよう・・・・何にも準備してない・・・。」
オロオロする私を見て今度はクオが笑っている。
コッチは真剣に考えてるのに・・・と思ってお返しにムスッと攻撃。
でも攻撃は効かず、クオはまだ笑っている。
ちょっとイジわるだ・・・。
そんなところも好きだけど。
やっと笑いが治まったクオは、じゃあさ~と言って私を見つめた。
「ミクを頂戴。」
「・・・えっ?私?」
頂戴って、一体私は何をすれば?
「俺と将来、結婚して?」
「・・・、けっ結婚!?」
「そう。」
あまりにも突然すぎて、いや衝撃的過ぎて・・・。
頭の中が爆発しそう。
本当にしたら怖いけど・・・。
「いや・・・今すぐじゃないから。
っつーか、俺と結婚するの嫌?」
「いっ嫌じゃないよっ!!」
「なら、いいじゃん。」
「・・うっ・・う・・ん。」
クオは本当に不思議な人だと改めて実感する、今。
嬉しいんだけど、なんか複雑な気持ち。
さっきまで別れるとか考えてたのに、今は結婚という話になっている。
混乱しない訳がないっ!
混乱しない人がいるなら、ぜひ見てみたいものだ。
「じゃあ、その指輪は婚約するための指輪ね。」
「えっ・・?」
「本当の婚約指輪はもっといいやつ買ってやるよ。」
「クオ・・・。」
「だから、婚約まではそれでガマンしろ。」
「・・・うんっ!!」
十分、コレでもいいんだけど・・・って言ってもどうせ聞き入れてもらえないから言わない。
「ねぇ、コレつけてよ。」
ネックレスを差し出すと、仕方ねーなーとブツブツ言いながらそれを受け取った。
私が後ろにクルッと回ると、横から優しく手が伸びた。
クオの体温はいつもより高くて、でもそれが愛されてるな~という気持ちに繋がってしまう私は馬鹿だと思う。
するとクオが不意に抱きついてきた。
「クッ!」
「今、何考えてたの?」
「べっ・・別に・・・・」
「ふ~ん・・・。」
耳に息が当たって、クオと同じぐらい私の体温も上がる。
少し薬の匂いがするけど、それに混ざってクオの匂いも漂う。
少し甘い匂い、ダイスキな匂い。
「ミク、絶対結婚しろよ?」
「うん。」
そっと囁かれた5文字の言葉が、嬉しくて・・・
今までで1番の笑顔をつくれたと思う。
やっぱり記憶は薄れなんてしない。
2人の想いがあれば、ずれた溝も埋められる。
2人が想いが重なったこの日を、永遠に忘れない。
未来に何が起こるかなんてわからない。
けど・・彼を愛し続ける。
私が存在し続けるまで・・・・・・・。
~END~
ジェムシリカ
クオミクです!!
いや~久々に書いたクオミク(笑)
本当は昨日、書きたかった・・・
いや・・・言い訳をすると模試だったんですよ・・・
模試で頭がいっぱいでww
しかもこの話・・・即興で書いたので・・・
ところどころ、意味が分からないかも・・・
ごめんなさい(汗)
いや~今日は誕生日の翌日なので・・・
小説も翌日に(笑)
あっ、『ジェムシリカ』はパワーストーンで・・・
愛と思いやりの循環をもたらす石らしいです!
いや~、私的にはコレを指輪につけてクオは渡したんだと願っておきますwww
1日遅くなったが・・・おめでとう!!!
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ご意見・ご感想
甘菜
その他
驚きで目がポーンってなりました(笑)
メッセージ・ブクマ・読んで下さった方々・・・
誠にありがとうございます!!!!!!!
これを励みに、頑張ります。
2011/11/12 21:53:21
檸檬飴
ご意見・ご感想
お久しぶりです^^
メッセありがとうございました(*^^*)
クオ君の頑張りに感動です(T-T)
ミクちゃんが、我儘言ってるみたいだから理由を聞かないってところも健気で可愛かったです!
とてもキュンときました!
2011/09/01 17:16:57
甘菜
こちらこそメッセありがとうございます♪
感動していただけるなんて!!
光栄です(泣)
ミクちゃんは、いつでも天使ですww
キュン!!嬉しいお言葉、ありがとうございます!
2011/09/02 14:52:08