花びらをつまんでは唇に添えて
微かな蜜の味をキスの練習にしてる
どんなにときめいても嘘なのわかる
飛び回るミツバチだって知ってるさ
叱られながら怒られながらそれでも
つまんでは甘いキスを貪っている
当たるわけないハズレくじの軍団
すぐに消える蜜の味は嘘かもね
そんなもので誤魔化そうなんてご都合主義
生ぬるい唇の感触はきっとナメクジ
それだって愛しさに変えられるなら
私はまだ終わらない練習で良いよ
私の二匹のナメクジが逃げる前に
花びらをつまんでたら消えてって
ガサガサ茂みの奥へ顔を突っ込む
どんなに探しても意味ないのわかる
舞い踊るチョウチョだって理解済み
呆れられても見放されても未だに
つまんでる甘いキスは罠ですか
見えるわけない当たり前の欲望
今に消える命の味は血まみれね
こんなものでどうにかなるなんて小利口過ぎ
色あせた花びらの感触はきっと紙切れ
これだって決めつけて手にしたいなら
私はまだ下らない練習をするよ
私の千切れた記憶を燃やす前に
世界中の花が消え去ってしまった
もう練習はできなくなって
倒れ込んだ草むらにレオパード
その顔を抱きしめてキスをした
太いひげも硬い皮膚も甘くない
唸る声も鋭い牙も怖くない
少し微笑んで食べちゃった
だから最後の練習はレオパード
どうか咲いて私の乾いた亡骸で
そっと咲いて心の乾いた思い出で
逃げ出したナメクジが歌ってる
千切られた紙切れで踊ってる
一番相応しい花びら見つけた
獰猛な音を響かせた欲望色
キスの練習はまた今度
蜜の味なんかすぐに忘れた
キスの味なんかすぐに消された
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