飛空艇が僕の横を過ぎる。
揺らいだ空の青さを知る。
君にはラブソングは似合わないって、
おどけた僕の声の二乗。
繋いで編み込んだミサンガが、
音をたてて引き千切れる。
バス停に反射した陽炎は、
揺蕩う字(あざ)を照らして過ぎる。
車のバックミラーが僕に、
白昼夢を魅せるような。ような。
体温と汗と僅かな痛み。
憧れに咲く向日葵。
ゼロブンノイチの声色が、
まだ割りきれない僕の想い。
色褪せたような麦わら帽子。
マイペースな真っ直ぐな落書きを見ていたよ。
ラクトアイスのあたり棒が、
甘さと苦さを運んできたよ。
鳴かぬなら鳴くまで待とうかな。
そんな、優しさ。僕には無いよ。
田園の水路の雨蛙。
水面に映る。清涼飲料。
失くした忘れ物を届けに、
今向かうから。そこで待ってて。
ゼロブンノイチの短編集。
プロローグでさえ白紙のままだ。
色着せたようなワンピース。
真っ暗な窓辺で花火を見ていたよ。
ゼロブンノイチの影法師。
まだ割りきれない僕らの夏休み。
色褪せたような麦わら帽子。
マイペースな真っ直ぐな落書きを見ていたよ。
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