時は少し戻って前の日の昼。女王の魔の手から逃げ延びた姫は森の奥の方に向かっていました。
しかし、前日に降った雨で足場は悪く、進むことが困難でした。どこかで休みたいと思っていた姫はある小さな家を見つけました。
その家の屋根はとても低く、姫はかがまないと中に入れませんでした。家に無断侵入した姫は物色し始めました。
「つーか天井低っ。あー腰痛。あ、この小物ちっさくてかわいー。もらっていこうかな」
奥に進むと小さなベッドが七つ、横に並んでありました。姫は遠慮なくそこに寝ころぶと、すぐに寝入ってしまいました。
しばらくして、耳元が騒がしくなり目を覚ますと、目の前に小さな女の子の顔がありました。
「だぁれ?」
(・・・・・・あ、ここ自分の部屋じゃなかったっけ)
姫は体を起こし、あらためて周りを見渡すと、そこには七人の小人たちがいました。
(さっき話しかけてきたのはこの緑のツインテールの子か・・・・・・)
じっと顔を見ていると、女の子が不思議そうに首をかしげました。姫は我に返り、
「あ、ごめんね。勝手に入っちゃって。ちょっといろいろあったから・・・・・・」
と、ほそぼそとここまでのいきさつを簡単に説明する姫。それを聞いた小人たちの中の一人、黄色いショートの女の子が笑顔で言いました。
「じゃあ、しばらくここにいていいよ」
「え、いいの? でもほかの子には聞かなくていいの?」
姫はそう言って全員を見渡すと、みんなはそれぞれこくん、とうなづいたので、
「ありがとう、その代わりに炊事洗濯とかやるわ」
姫は笑顔でお礼を言いました。
そうして、姫と七人の小人たちとの生活が始まったのです。
さて、姫が生きていることを知った女王は早速姫を殺す方法を考えました。
「そうねぇ。絞殺か、毒殺か。それとも撲殺かなぁ。いや、力的には向こうの方が強いからここは油断させといて毒殺ね。まぁ、お約束通りりんごでも使おうかな」
そうして女王は使用人に毒とりんごを用意させました。
「あとは殺す方法よね。この姿だと絶対警戒されるし・・・・・・。あ、そうだわ! あれでいきましょうか」
そう言って女王はクローゼットをごそごそとし始めました。するとそこに王がやってきました。
「なにやってるの? あ、それもしかして君がピッチピチに若かった頃n」
「今”た”って言った? ふざけんな。あたしはまだ現役よ。・・・・・・そうよね?」
冷たい視線で睨まれた、というより脅された王はいきおいよく首を縦に振りました。
青ざめた顔で震えている王を部屋の外にほっぽりだして、女王は着替え始めました。それは着るだけで若返りする、魔法の服だったのです。女王はこれで正体を隠し、姫を油断させるつもりでした。
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