七夕かぁ…、どうして女の子はこういう行事が好きなんだろう?

鼻歌を歌いながら、笹…だっけ?あんな長い茎に葉が生えただけの植物を嬉しそうに準備して…。

今日は7月7日で、あの笹に短冊っていう紙に願い事を書いて結ぶと、願いが叶うらしい。

確か一年に一度………


「ねぇ、リン。誰と誰が会える日だっけ?」

「え?織姫と彦星だけど…それがどうかした?」

「別に、なんでもない」


そうそう織姫と彦星、その人達が会える日でそれで願いを叶えてくれるという話らしいけど…物好きだよね。

一年に一度しか会えないなら、他人なんて気にしなければいいじゃないか。

会えなかった分の話をしたり、愛を確かめあったり、抱きしめ合ったり…そう思わない?

少なくとも、僕には周りを気にしてる余裕はない。

一年に一度だよ?それを我慢する事がまず無理。

毎日会って、話して、抱き締めて、じゃれあって…たまにキ、キスとかしたりして。

…うん、分かってる。

これが、どれだけ女々しい考えなのか。

でも仕方ないでしょ?好きなものは好きなんだから。

あの子は分かってくれてるのかな?


「レン、さっきから何ブツブツ言ってんの?」


いつの間にか、リンが僕の目と鼻の先にいて顔を覗き込んでいた。

…リンさん、かなり近いんですが………。

さっき考えた事が見透かされそうで、心臓がバクバクしてる。


「あ、いや…」


うまく言葉が出ず、ただ口をパクパクさせる事しか僕には出来なかった。


「まあ、別にいいけどね。はい、これ」


そう言われて手渡されたのは、短冊だった。


「ちゃんとレンも書いてよね?」


…そんな笑顔で言わないでよ、拒否できないじゃないか。


「嫌とは言わないよね?」


分かってる、分かってますよ。

だからその凶器じみた分厚い本を、下げてくれないかな?

僕は軽く笑いながら、短冊を受け取る。

その受け取った腕をリンにひかれ、無理矢理立たされた。


「ほら、早く願い事書こうよ♪」


「はいはい」







ねぇ、君の願いって何?


君の事だから
僕やマスター達の幸せとか
そういうのを願うんだろうか?


出来るなら
望んでいいのなら


僕だけを考えてよ
今日だけでいいからさ
僕以外は忘れてよ


僕の願いは
君だけだよ
















(キミの側にいて、その手を握っていてもいいですか?)

ライセンス

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星に君を願う

明日は七夕、皆さんは何かお願い事はありますか?
僕は色々ありますが、とりあえず時間が欲しいです、はい…orz

ちょっとリンちゃんに依存気味なレン君。
見方によってはちょっとヤンデレ?

閲覧数:277

投稿日:2010/07/06 21:39:48

文字数:1,026文字

カテゴリ:小説

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