A1-1
屋上をのみこむ空に
とけていくの 小さなわたし

A1-2
屋上の片隅、蟻のサーカス団
カーテンコール

B1
なんにもできない 手も足も
あなたが引いて 滑走路まで
なんにもできない この肌に
あなたの姿 風で刻んで

S1
細いかいなのぬくもりに
憩うわたしがうらめしい
ねえ 淋しくない 淋しくない 淋しくない

A2-1
祭壇を飾るお花に
かじりつくの 醜いままに

A2-2
星空を流る命に
叫(わめ)くだけの か細いわたし

B2
なんにもならない 手も足も
みんな溶かして 殻でくるんで
なんにもならない 指先で
みんな溶かして 大人にしてね

S2-1
細いかいなのぬくもりに
憩うわたしがうらめしい
ねえ 淋しくない 淋しくない 淋しくない

S2-2
黒いさなぎの内側に
白い翅すら無いらしい
嗚呼 なりたくない なりたくない 夏のにおい

C
空を飛ぶのがわたしの夢
それも削れて砕ける前に
飛び出したい 潰れちゃいたい 春の幼虫


【ひらがな表記】

A1-1
おくじょうを のみこむそらに
とけていくの ちいさなわたし

A1-2
おくじょうの かたすみありの
さーかすだん かーてんこーる

B1
なんにもできない てもあしも
あなたがひいて かっそうろまで
なんにもできない このはだに
あなたのすがた かぜできざんで

S1
ほそいかいなのぬくもりに
いこうわたしがうらめしい
ねえ さみしくない さみしくない さみしくない

A2-1
さいだんを かざるおはなに
かじりつくの みにくいままに

A2-2
ほしぞらを ながるいのちに
わめくだけの かぼそいわたし

B2
なんにもならない てもあしも
みんなとかして からでくるんで
なんにもならない ゆびさきで
みんなとかして おとなにきてね

S2-1
ほそいかいなのぬくもりに
いこうわたしがうらめしい
ねえ さみしくない さみしくない さみしくない

S2-2
くろいさなぎのうちがわに
しろいはねすらないらしい
ああ なりたくない なりたくない なつのにおい

C
そらをとぶのがわたしのゆめ
それもけずれて くだけるまえに
とびだしたい つぶれちゃいたい はるのようちゅう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

春の幼虫(仮題)

下手に頑丈になってしまえば、飛び立った挙句に生き残ってしまうかもしれません。夢は鮮度と火力が命ですから。



※本作のために曲を書いて下さる方は、お手数ですが、少なくとも投稿の前に砂場のあめんぼまでご連絡頂けますと幸いです。というのも、制作の過程で、曲に合わせる形で歌詞を改善していこうかと考えており、それに関する協議を行えればと思っているためです(主に押韻を意識した変更になると思われます)。

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投稿日:2023/01/06 19:35:04

文字数:940文字

カテゴリ:歌詞

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