我が家、並音家[heine-ke]と、お隣の律音家[ritsune-ke]は、普通のお隣同士とは少し違います。
「レン、ラン!食事の準備ができたから、隣の家行くよ」
「はーい」
「ん」
ルカ姉さんのハスキーな声で玄関口に集合する3人。
まず、声をかけた本人であるルカ姉さんはこの並音家の長女。しっかり者で常に冷静な、頼れる音大3年生です。次に、この私。この家の次女である並音ラン。近所の高校に通っている高校2年生です。最後に、弟のレン。只今中学3年生。最近反抗期なのか、少し生意気だってルカ姉さんは言ってます。
3人が集合したのを確認して、そのまま無言でお隣の家に向います。徒歩1分。チャイムも鳴らさず、堂々と正面からの家宅侵入。
「皆、来たね。もう準備できてるから」
「早く、早く!折角私が作った料理が冷めちゃうよー!」
「……、お腹空いた」
それにも関わらず、普通に歓迎ムードな律音家の皆さん。
最初に私たちを出迎えてくれたのは、この家の長男でカイトさん。ルカ姉さんと同い年で、同じ音大に通ってます。次に声をあげたのが、ミク。私と同じクラスに通ってる、律音家の料理番です。最後にリビングで料理を目の前におあずけをくらっているのが、三女のリンちゃん。レンと同級生で、今では中学の生徒会長もやってるしっかり者です。
あとは、今は仕事に行ってていないけど、律音家の長女メイコさん。大手音楽メーカーに勤めているんだけど、仕事熱心なせいか平日はあんまり会えません。強くて責任感のある、かっこいいお姉さんです。
とりあえず、現在揃っている6人で1つのテーブルを囲む。目の前には、ミクとルカ姉さんで作った(のであろう)6人分の料理。テーブルの窓側1番端に座ったルカ姉さんが、全員が席に着いたのを見計らって手を合わせる。それに習う残りの5人。
「いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
こうして、いつも通り、夕飯が始まった。
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