靄(もや)かかる潮風の赤い旗を捨てる
何処からか流れてた始まりの音が鳴る

男の子になれなくて　女の子にもなれなくて
泥まみれの逆さまの虹を揺れながら描く

黒い匣(はこ)に騙されて　ズレたヒツジに貶(けな)されて
悲しすぎるレンズを磨いて苦虫を潰す

並ぶビー玉をまばらに転がして

バカげているあの子の裏庭で狛犬が吠えている
胸の上にこびりついた毛玉を飛ばす

毒の海に死にかけて　巻かれた葉を吐き出して
うごめいてるムカデ達の目に取り残されてく

掴み取ることはないし　願いはきっと叶わない
他の何かにしがみつかずにはいられないままさ

朽ちたシカバネの祠(ほこら)の上に立つ

眠りかけたうわごとの夢でもサルだけにはならないさ
枯れたガラクタの山から生み出してくよ

沈む街並みにたたずむシマエナガ
群れるトリ達の灯りを眺めてる

男の子になれなくて　女の子にもなれなくて
泥まみれの逆さまの虹を揺れながら描く

バカげているあの子の裏庭で狛犬が吠えている
胸の上にこびりついた毛玉を飛ばす

眠りかけたうわごとの夢でもサルだけにはならないさ
枯れたガラクタの山から生み出してくよ