(設定)
ルカ
ねじを巻くタイプの古いお人形さん。ねじは背中についています。
ルカのお相手
マスターとかカイトとか、お好きなお相手をご想像ください。
がくぽは…流石に違うかなあ?まあご自由に。
参考になるので、お暇でしたら「カイルカで読みましたー」とか、そんな感じのコメントくださると嬉しいです。
あ、感想も勿論嬉しいです!
それでは。
月のきれいな夜。彼は寝てしまった。
いつもと同じ時間、いつもと同じ寝顔。違うのは、わたし。
(好きな人が出来たんだ)
あの時の笑顔。わたしに向けられることのない、愛に溢れた笑顔。
ずっと見たかった。けれど見たくなかった。諦めたと思い込んでもどこかで望んでいた。
さまざまな感情がわたしを支配する。切ない、苦しい、悲しい、けれどそれよりももっと、愛おしい、
「…あのね」
彼はこの声に気付かない。だって彼は眠っている。
今はわたしだけが在る時間。
だから今だけは、どんなに醜くても、わたしがわたしでいられるとき。
言葉にのせることも許されないような、冷たい静寂。
頬には触れない。いつ目を覚ますかわからないから。臆病なわたしは彼に触れることすら禁忌のように思える。
開いては閉じる、開いては閉じる。はやく、わたしが止まってしまう前に、躊躇う唇をどうにかしなくちゃ。
ねじの動きが緩やかになるのを感じる。もう時間は残されていない。
このまま心に蓋をして、黙ってしまおうかとも思うけれど、きっとこれが最後のチャンス。逃したら、ずっと燻ったまま。
臆病で愚かなわたし、お願いだから今だけは、邪魔をしないでいて。
開いては閉じる、開いては閉じる。たった二文字が、今はこんなに重くて。
かちり、かちり、今にも止まる。ああ、漏れる息すらもどかしい。
「す、き」
沈黙。
ゆっくりと布の擦れる音。
宵闇の中、瞳が揺れる。
「―――ルカ?」
返答はない。
ゆっくりと立ち上がり、薄紫に触れた。やわらかい。いつもふわふわと揺れていた、僕なんかとは違う色。
彼女の想いには気付いていた。わからないけど、確信があった。
なのに何もしなかったのは、きっと僕もわかっていたから。
心のどこかで、解っていたから。
それでも嫌だと首を振る心が、今、僕の瞳を開けたのだけど。
「ルカ、ありがとう」
君の優しさに救われた。君の笑顔に、歌声に癒された。僕にとっての君は、決して眩しくない、まるで月のような存在だった。
ねぇルカ、人間は醜いよ。
だから家(ここ)に閉じ込めて、外を知らないままにした。君が人間を知ってしまったら、君の心が濁ってしまうような気がして怖かったから。
ねぇルカ、僕は臆病者だよ。
想いに応える術なんてきっと腐るほどあったのに、それをしなかった。
君の聖母のような優しさに甘えて、いつまでもこの時間が続けばいいと。
ねぇルカ、普通じゃない人間はおかしいんだって。人形を想う人間は普通じゃないんだって。
侮蔑や罵りから君を守り抜けるほど、今の僕は強くない。
解っていたのに、解っていなかったんだ。
「ごめんね、好きな人なんて嘘なんだ」
僕はきっと君を沢山沢山傷付けたよね。
君はいつも僕のために歌ってくれたのに。
僕のために、笑ってくれていたのに。
その日がきたら、、君のねじを目一杯巻いて、おはようの後に溶けるくらいの愛を囁いてあげる。
そうして僕は、君と二人だけで生きていく。
そのために、君を守れるくらい、強くなるよ。
「ルカ―――愛してる」
額にそっと唇を寄せる。ピアノを覆っていたシーツで、彼女を隠すことにした。僕の覚悟が揺らがないように。
取り去る日は、どれだけ先だろうか。
雨が窓を叩く。僕の代わりに泣いてくれたなら、ごめんよ、少し遅かった。
歌声が聞こえない瞼の裏の闇に負けないように、彼女を想って眠った。
ああ、今の僕には泣く権利なんて無いのに。
ねぇ、ルカ。
またいつか目を覚ましても、僕を愛してくれているかい。
どうか、身勝手な僕を赦して。
goodnight.
静かなその夜を、下弦の月だけが見守っていました。
実はこれ、「また、明日。」のラストなんです。
設定考えたらぶわーって浮かんできちゃって、それでだいぶ前に書きあがっちゃったラストに、加筆修正を加えて、アップしちゃいました。
だってここにたどり着くまでが上手く書けなかったんだもん。←
友達に読んでもらったらこんな文章で泣いてくれて(いい子ですよね…!)。
そんで「ハッピーエンド作って!」て言われたので、今作ってたりします。
もし需要があればここにも載せようかなー、なんて。
あーあ、もっともっと上手くなりたい。
評価がボロクソでいいから、というかもっと色んな人に読んで貰って、色んな批評貰って、「よーし、頑張るぜ!」って気分になりたい。
…スランプなのです。
コメント欲しいよー。
できれば点数付きで。
…0点だったら流石にへこむかなあ?笑
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