<特務戦隊 Lパワード! 第3話 エルの正体>
(優楽園遊園地 特設会場・真夜中)
前回ヒーローショーが中止されたイベント会場に、真夜中の“客“が侵入していた。メグポである。彼女は何かを探しているようだった。
メグポ:ったく・・・。次の怪人作るときになって“反応マシン”がない事に気づくなんて!。大事な物なんだから、毎回やられてもこれだけは必ず回収してくる事になっていたのに・・・。回収役、お兄ちゃんなのよね~。なんか最近のガクポお兄ちゃん、ダメダメになって来ちゃってるわね・・・。負けがこんでいる事しかり、酔っぱらいでセクハラしちゃう事しかり・・・。
警備員に見つからないように会場を探していると、程なくしてステージ上で、それを見つけることが出来た。装置は止まっていた。
メグポ:止まっているか。まぁ1日経てば、バッテリーもなくなるわね。まぁいいわ。今回もディスクに保存されたデータをVY1に分析させて、次の捜索に使えばいいわ。
あまりここには長居をしない方がいい事はわかっているので、メグポは装置を拾い上げると、さっさと会場を後にしたのだった。
(暗黒帝国 ブッチギリーン、本部宇宙船内、VY1の部屋)
COMP“VY1”がある部屋には、リンとガクポが装置の準備をしていた。
リン:ガクポよ、探しに行ったメグポに感謝するのだぞ?。
ガクポ:はいでござる。妹が隠密行動が得意で感謝しているでござる。
リン:しかし、大事な“反応マシン”を忘れてくるとは・・・。ガクポ、マジ、大丈夫か??。
ガクポ:ガクポ、一生の不覚でござる。
ガーーー
そうこうしているうちに、オートドアを開けて、部屋にメグポが入ってきた。
メグポ:ただいまです。反応マシン、見つかりました。
リン:見つかったか!、良かった、これのディスクのデータは、ガクポより大事な物だからな。
ガクポ:そんな殺生なでござる・・・。
メグポ:すぐ取り外してVY1に分析させます。
メグポは反応マシンからディスクを取り出すと、VY1の受け口に入れ、分析を開始させた。
VY1:・・・・・最近、一件のスキャン結果がありますが、表示しますか?。
リン:?、スキャン結果?、ま、まぁいい。表示してくれ。
VY1:わかりました。表示します。
こうして、反応マシンが、イベント会場戦で入手したデータのスキャン結果をモニターに映し出した。
モニター:スキャン結果「対象者の分析終了。観客には対象者は存在せず・・・対象者は、ステージ上の誰か」
リン:ん~????、ガクポ、どういうことだ、これ?。
ガクポ:つ、つまり、この結果の通り、リン様の弟君「レン」様は、ヒーローショーのイベント会場のステージにいた人物の中の誰か、ということになります。私が見たところ、レン様そのままの人物はおりませんでしたし、ステージ上の人物は全員“フルヘルメット”など、頭部がわからない物を被っておりましたから、わかることと言えば、“リン様に似た体格”、“男性という性別”位です。
リン:で!、レンに近い人物はいたのか!。
メグポ:まず、あのステージにいた人物は、悪者の役者、雑魚戦闘員数名、Lパワードの女性型ロボット、Lパワード5名だけです。この中で、悪者の役者とか雑魚戦闘員は全員、あんちゃんとかおっさんなので、除外します。そして明らかに女性の人物を除いた男性だけを抽出すると、Lパワードのメンバーの“ガンマンエル”と“アイスカイト”の2名に絞れます。
リン:で!、どちらが私によく似ているのだ!。
メグポ:・・・・・リン様、“ショタ”と“バカ”、どっちが宜しいですか?。
リン:は?。
メグポ:“ガンマンエル”は、男子中学生よりちょっと背が高い様な体格、“アイスカイト”はお兄さんのような体格ですが、それほど背は高くないです。はっきりと“こっち”と区別するのは、難しいです。
リン:で、どっちがショタで、どっちがバカなのだ?。
メグポ:“ガンマンエル”がショタで、“アイスカイト”がバカです。
リン:・・・・経緯はよく解らないが、レンは、その“ショタ”だ!。
メグポ:“ガンマンエル”ですね。顔が見えないので、はっきり断言できませんが、わかりました。ターゲットがはっきりしましたので、次の怪人は“正体暴き”専用として作ることにします。
リン:頼むぞ。しかし、何故、レンはそんな“戦隊”等にいるのだ?。
ガクポ:・・・・おそらく、現時点で“記憶喪失”なのだと思われます。記憶があるなら、我々に牙を剥くことはないでしょう。
リン:ううう。可哀想な我が弟・・・。すぐに怪人を作って、今度はこちらからLパワードを誘い出すのだ!。場合によっては、私も行くことにするぞ!。
メグポ:それは危険です!。我々が捕獲し、ここに連れ帰りますので、どうか、お気を静めて下さい。
リン:う、うむ。では頼むぞ。
こうして、エルの正体に推測が立ったリン達は、急いで怪人を作る事にした。今度は反応マシンはつけないことにした。もう“ターゲット”が絞れたからだ。
***
(メイコの夢の中・半年前、Lパワード基地周辺の海岸)
ザザーーーー
メイコ:はぁ~、たまには散歩も良いわね~・・・・・ん?。
海岸に、大きな金属片、人一人が入れるような“壊れたカプセル”と共に、一人の少年が倒れていた。姿は黄色の髪の毛、Tシャツ短パンの“軽装”だった。
メイコはすぐにその子の隣に駆け寄り、少年を抱きかかえた。
メイコ:ちょっと!、君!、大丈夫!!??。
メイコはマウス・トゥ・マウスの人工呼吸など、ライフセーバーが出来ることをやってみた。すると、少年が息が吹き返してきた。緊急性が高かったので、すぐに基地にいたLパワード4名を呼び出し、担架とバスタオル数枚も持ってこさせた。
程なくして、4名が到着し、すぐにびしょびしょのTシャツを脱がしてバスタオルでくるみ、担架に乗せた。
ミク:私の見立てで、衰弱が激しいミク。基地の医務室に運び、様態を見ることにしましょうミク。
メイコ:申し訳ないけど、ルカと海斗とリリィは、この現場に残って、調査していてね。私とミクと医療班で、この子の看護に当たるわ。何か解ったら、無線機で私に知らせて。当面、ここは現場確保するから、誰も入れないでね。
ルカ、海斗、リリィ:ラジャー!。
こうして、メイコとミクは少年が乗った担架を基地まで運び、医療班を呼んで、すぐに医務室に運び込んだ。ルカ達3人は現場の“金属片”や“壊れたカプセル”等を調べていた。
***
(Lパワード基地内・医務室)
1時間後
ミク:体温と脈拍等、バイタル類は正常に戻ったミク。顔色も赤みが戻ってきたし、後は気が付いてくれれば良いミクけど・・・。
すると、少年の眉がピクリと動き、意識が完全に戻り始めた。
少年:う・・・・・・・・・う・・・・こ・・・ここ・・・は?。
メイコ:よかった!。気が付いた!。
ミク:よかったミク。
少年:あの・・・・・あなた達は?。
メイコ:私はここの責任者で、ミクは隊員よ。あなた、海岸で倒れていたの。
少年:そうですか・・・・。いたた・・・・。
ミク:ムリしないミク。
メイコ:あなた、相当衰弱していたから、点滴を打たせて貰ったの。話せるなら、大分回復してきたのね。
少年:あの・・・・・僕・・・・・何も覚えてないのですが・・・・・・。
メイコ:名前も?。
少年:はい・・・。すいません・・・。どこから来たとか、どうしてこうなったとか・・・全然・・・。
ミク:記憶喪失ミクね。
メイコ:うーん、あの機械の事があるから、普通の遭難者とは思えないけど、このご時世、どの船舶にも生命維持装置
は付いているからね・・・。まぁいいわ。とにかくあなた、体力が戻るまで、しっかりとここで静養してなさい。ご飯とか食べられる?。
少年:食べ物はたぶん大丈夫だと思います。
ミク:じゃあ、私の特製ネギ焼きw
ポコン
メイコはミクの頭を丸めた書類で叩いた。
メイコ:こんな状態の子に、あれはキツイでしょうが。食べられるようになったら、医療班が作る病院の食事を出します。今はとにかく体を休めていて。このボタンを押すと看護師さんと私たちが来るから。
少年:有り難うございます。お言葉に甘えて、休ませていただきます。
メイコとミクが部屋を出た所で、ルカ達から通信が入った。
メイコ:はい、こちらメイコ。何かわかった?。
ルカの声:それが・・・機械そのものも判別が出来ず、更に、彼の名前を示す物が1つしかなかったんです。
メイコ:判別できない?。
ルカの声:完全に壊れていて、肝心な装置のパーツも無くなっており、更に海の漂流物などが絡み混んでいて、解らないんです。
メイコ:わかった、それはもういいわ。で、“名前を示す物”って何?。
ルカの声:それも最初の1文字だけで、残りは破れているんです。残っていた物は、“L”、の一文字だけでした。
メイコ:“L”・・・“エル”だけか・・・・。わかった。とりあえず彼の名前を“エル”と呼ぶことにします。彼も意識が戻って、今は静養してます。そちらは現場確保しておいて、後日調査を行う事にしますから、戻ってきてね。
ルカの声:ラジャー。
こうして、漂流してきた少年は“エル”と呼ばれるようになり、基地の病院で15日間静養した。
(15日後・Lパワード基地内、メイコの部屋)
メイコとエルがおり、メイコはエルの体調などを聞いていた。
メイコ:すっかり良くなったわね。
エル:はい。医師の診断でも、正常との事です。
メイコ:でも、君の素性とか、全然わからないし・・・。どう?、いっそのこと、住み込みでここで働いてみない?。
エル:え?。
メイコ:勿論、素性がわかるまでよ。あ、ここの仕事はね、そうね・・・特別任務を請け負う戦隊なのよ。
エル:はぁ、戦隊ですか。
メイコ:勿論、適性とか見ないと、Lパワードの戦隊の一員にはなれないから、これから、色々やってもらって、適性を調べるけど・・・いい?。
エル:はい!。いろいろお世話になったこともあるので、出来る限りやらせていただきます!。
メイコ:いい返事ね。じゃあ、明日から適性を調べて行くわ。
エル:宜しくお願いいたします!。
こうして、エルは半ばスカウト同然で、Lパワードの見習いになったのだった。
(一ヶ月後・運動場)
エル:はぁぁぁああああ!!!。
エルは100mの記録を取っていた。
メイコ:凄い!、うちの隊員達にも負けない・・・いえ、推定年齢を考えたら、凄いタイム!。
エル:はぁ、はぁ、有り難うございます!。
(二ヶ月後・射撃場)
パンッ!、パンッ!
エルは射撃訓練場で射撃のテストを行っていた。試験が終わり、メイコの所に戻ってきた。
エル:どうでしょうか?。
メイコ:君、凄いわ!。この技能だけは飛び抜けて高い数値よ!。ここの隊員の中でもトップ!。
エル:有り難うございます。
メイコ:身体能力も問題無いし、よし!、明日からLパワードの一員として、エントリーさせてもらうわ!。
エル:ええ!、もうですか!?。
メイコ:ええ、問題ないわ。明日からは、戦隊の“専用銃”担当で、活躍してもらうわ。スーツとかはこちらで用意するから、戦隊のみんなと行動を共にしていてね。指令は私から与えます。
エル:はい!。
メイコ:それと、うちも色々お金の面で、苦労しながらやりくりしているから、活動の半分は、うちで経営している喫茶店で働いてもらうの。そうね、ルカさんじゃ大変そうだったから、貴方が明日から喫茶店の店長をやってね。
エル:わかりました・・・というか、すぐですか?。
メイコ:大丈夫、ルカに言って置くから、当分はルカのフォローを受けながら、やってみてね。
エル:わかりました。頑張ってみます。
メイコ:いい返事ね。じゃあ、お願いね。
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特務戦隊 Lパワード! 第3話 エルの正体
☆オリジナル作品第12弾である、「特務戦隊 Lパワード!」の第3話です。
☆遂にシナリオは核心部分へ。エルの正体とは!?。
☆予想通り、今回はギャグほとんどなしでした・・・・・。
******
hata_hata様が、第1作目のきのこ研究所のイメージイラストを描いて下さいました!。まことに有り難う御座います!。
『「却下します!」』:http://piapro.jp/content/oqe6g94mutfez8ct
☆hata_hata様が、第2作目のきのこ商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『causality』:http://piapro.jp/content/c0ylmw2ir06mbhc5
☆nonta様も、同じく商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『ようこそ!、きのこ駅前商店街へ!』:http://piapro.jp/content/dmwg3okh7vq1j8i1
☆あず×ゆず様が、第8作目の部室棟の死神案内娘“テト”を描いて下さいました!。本当に有り難うございます!。
『おいでませ!木之子大学・部室棟へ♪』:http://piapro.jp/content/rsmdr1c3rflgw7hf
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ご意見・ご感想
nai☆
ご意見・ご感想
のんびりいきますw
おぉ、ステージ上に【リン様の弟君「レン」様】がいらしたのですか。気づかなかったなぁ(棒読み)
そして、海岸で倒れてる謎の少年“L”ですか。こいつは、ケータイ電話をつまむようにブラブラぶら下げながら使うのかなw
ってか、もう互いに正体バラし合ってるしw そしてカオスにwww
2010/08/28 23:37:33
enarin
nai☆様、こんにちは!
> のんびりいきますw
有り難うございます!。暑いので、私ものんびり行くことにしますね。
> 気づかなかったなぁ(棒読み)
なんか2話くらいからバレバレの展開でしたね。というか最終話まで引っ張る”謎”でもないので、早めにネタバレしました。というか、これからが本気の展開だったりします。
> そして、海岸で倒れてる謎の少年“L”ですか
これは”死神雑記帳”と似たような”L”の付け方です。”LEN”の名札の”L”だけが残っていたので、エルです。
> こいつは、ケータイ電話をつまむようにブラブラぶら下げながら使うのかなw
いやー、エル(レン)が目の下にくまを作って、体育座りで、携帯をブラーンとやっていたら楽しいですね(え?)。
> ってか、もう互いに正体バラし合ってるしw そしてカオスにwww
もう、なんというか、”前半にして、設定した名前や対立関係が全部崩れる”という超展開をしてしまったので、今後、ルカ達にのヒーロー名は、既に”正体晴らし”をしてしまった関係で、出てこない、と思います。同時に、どちらも人間スタイルにするため、学歩、めぐみ、ルカ・・・と、短い名前でいこうと思います。
しかし、ヒーロー物らしくない展開なので、どうなっちゃうのか、というところで、第4話の更なる超展開が待ってます。
このたびのご閲読、コメント、有り難うございます!
2010/08/29 10:48:42