<13話 末文より>

(ライブラリー・スター号 ミズキの部屋)

りおん:・・・・・・・・・・素材は今のなんだけどね・・・・・・・・・
イア:????

りおん:アチシも錬成されたんだ・・・・・ヤマト国で・・・・・・

イア、ルカ姫:!!!!!!!!!!!!!!!!

<Dear My Friends!第2期 第14話 3人組の素性>

りおん:アチシの正式番号は、“V3LB6 兎眠りおん”。イアちゃんがアキバで人気があった時期とは違う時期に、同じく人気があったアキバアイドル“兎眠りおん”を題材して、今の素材を使って錬成された、ホムンクルス・・・かな
ミズキ:りおんは組織の開発陣内では『V3LB6』って呼ばれているけど、通常は“りおん”で通っているわ。私は人間だけど、コードネーム『VY1V3』で呼ばれることもあるの。ゆうまは『VY2V3』よ

イア:錬成された私が言うのもなんだけど…、あなた達は一体…
ミズキ:前に話したとおり、ヤマト国、特にナガタ周辺では、ギアを操っているテイマー達と、私たちとで内戦状態になってます。その戦闘を終結させるために、私たちの組織の中でも、ギアに精通した私とゆうま、そして“魔術”に精通した魔導師として「作られた」りおんの3人が、前に話したとおり、他国でイアさんのような『絶対必要な素材』を見つけてくる任に付き、旅に出ました。ヤマト国を脱出するのはかなり危険だったけど、なんとか脱出できました
りおん:世界中を廻って、センサーに引っかかる“素材”を見つけていたけど、ダメでした。そんなときにあの街で、イアちゃん達と出会ったってわけです。“千載一遇(せんざいいちぐう)のチャンス”と思ったアチシたちは、失礼ながら尾行してきました

ミズキ:で、結果的にあなた達と仲間になって、こういう状態になっているわけだけどね
りおん:あ、アチシたちの事をもっと掘り下げないとダメですね

イア:出来る範囲で良いです

りおん:ヤマト国にも勿論、『魔導師』はいます。古来から続く『陰陽師』の血を引く多数の一族は、一部はギアを操るテイマーの仲間になり、一部はアチシ達の仲間になり、それぞれ活躍してます。でも、あの国のそれぞれの組織から、その血統の人物が出国するのは、どちらも危険と考えていたんです。だから、アチシみたいな『誰がどう見ても、魔導師に見えない女の子』の形で作られたアチシが作られたんです

ルカ姫:ま、まぁ、紫の髪の毛にアイドル風の衣装の女の子じゃ、戦闘向けじゃないと、一見さんは思うわね
ミズキ:それが組織の狙いだったわけです。勿論、ホムンクルスを量産して、ギアに対抗しようなんて、ミゥ様ですら考えなかったわ。それほどにテイマーの操るギアは強力無比なの
イア:えっと、ミズキさんとゆうまさんもギアを操るプロなんですよね?

ミズキ:ギアにもピンからキリまであるの。私が操れるギアは、『移動手段』。ほぼ全ての乗り物を操れるわ。ゆうまは『電算機』。いわゆるコンピューターや電子媒体関係、それと『武器』に精通してます・・・・・って、ルカ姫さん、付いて来れます?
ルカ姫:う、うーん、アキバで見た、“やたら女の子の塗装が目立つ魔導車両”とか“魔導投影板”、それと剣とかそういうのみたいなのでしょ?
ミズキ:ま、まぁ、それも入るわ。だからヤマト国を出るとき、怪しまれないように武器を全部捨ててきても、私たち自身は大丈夫だったの

イア:それと、りおんちゃんの事だけど、アキバアイドルの『兎眠りおん』をモチーフにして、今の素材から作ったって、それって錬金術でも可能だったんだ。私は“イアちゃん”の素材そのままから作られたから、可能なのは解るけど…
ミズキ:そのまま、アイドルの“兎眠りおん”を作り出す事は出来ません。あくまでモチーフだったから、実際の兎眠りおん本人が、魔導師要素を除いてもこういう人物だったかは、解りかねます

ルカ姫:あ、あの、りおんちゃんが使える“魔法”って、具体的にどういう種別なんですか?
りおん:アチシが使えるのは、なんと全般なのだ!
イア:あ、少し元気出たね?
りおん:イアちゃん達に話していたら、少し雲が晴れてきたのだ!
ルカ姫:それより、全般なの?
りおん:そうなのだ! アチシを作り出す素材に入れた『陰陽師・役小角』は万能な方だったから、とっても強い魔導を引き継げたのだ!

イア:それでも勝てない程、テイマーのギアって、強いんだ…

ミズキ:彼らのギアは、テイマーが“操る者”の意味の通り、ほとんどが“搭乗型のギア”じゃなくて、遠隔操作型だからね、ある程度のダメージを負ったら、戦術的に退散して修理して、また前線に送る。そんな戦術を使ってくるから、魔導師の魔力の方が先につきちゃうのよね
りおん:そうなの、今の時代のギアとテイマー相手じゃ勝てない…、だから過去に行って、進化してない時点でのギアとテイマーを相手にして、根本を破壊する必要があるの

 ミズキは少し顔つきを明るくして、向き直りました。

ミズキ:今のところ、相手にも“時間跳躍する技術”はないらしくて、こっちが先なら先手を取れるの

ルカ姫:そ、それでも、イアを渡すかは考えさせて貰うわ

 ミズキは少し考えてから、笑顔で答えたのでした。

ミズキ:それは無問題です。考えてみれば“存在の命を渡す”なんて、そうそう即答できるわけないですからね
イア:航海はまだ一ヶ月あります。色々教えて貰えれば、皆さんにも通じると思うんです
りおん:そうなのだ! アチシ達も皆さんも、オイシイ料理を一杯食べれば、仲良くなれるのだ!
イア:そういうノリが、本来のりおんちゃんだと思うよ?
りおん:そうなのだ! なんかアチシ、考え込みすぎだったのだ!
ルカ姫:私たちに話して、少し気が楽になったみたいね。よかった

ミズキ:じゃあ、私たちは食堂で、何か頂くことにしましょうかね。私もりおんも、娯楽用品は持ってないのよ
イア:そうですね、行きましょうか

 こうして、イア、ルカ姫、ミズキ、りおんの4人は、食堂に場を移して、お喋りの続きをすることにしたのでした。イアも三人組と会って、少し明るくなり、三人組もまた、イア達と会って曇りは少し晴れたようでした。

***

(ライブラリー・スター号 ゆうまの部屋)

リン WIN!

レン:ぬ、ぬぉぉ…、ま、また負けた
リン:当然当然。さーて、オレンジジュース、何杯飲めるかなぁ~♪

レン:つ、次のゲームだ…。このヤキュウってので勝負だ…
ゆうま:あ、これはちょっと難しいから、コッチの対戦型アクションの方が楽だよ

リン:この、『大爆闘 スラッシュファイターズ』ってヤツ?
ゆうま:そ。これは見かけよりルールが簡単で楽しめるから、本国でも人気があるんだ
レン:よ、よし! リン! それで勝負だ!
リン:はぁ~、ま、いっちょ揉んであげようかね

 こうして新しいゲームで、リンとレンは対戦したのでした。

***

(ライブラリー・スター号 めぐみの部屋)

 4人は情報を整理していたのでした。

アペンド:ふぅ~、結構あるね~
テル:こっちでも整理してきた覚えがあるのだが、合流させるとあるもんだな…
学歩:これも修行でござる!
めぐみ:ご、ごめんなさい…、こういうのは私の仕事でしたね…

アペンド:いやいや、私たちもある意味全部知らないと行けない事だし、一ヶ月なんて、あっという間かも
テル:それはそうなんだが、少し一息つくか? 食堂で美味しい紅茶でも飲んで、頭の回転をリセットすることにしよう
学歩:そうでござるな、お茶と茶菓子で、休憩を取るのもいいでござる

めぐみ:そんじゃま、行きましょ~♪
アペンド、テル、学歩:(一番行きたかったのは、めぐみさんだったんだ…)

***

(ライブラリー・スター号 食堂兼会議室)

 ゆうま達3人以外の8人のメンツが、食堂で合流したのでした。

アペンド:なんだ、イアちゃん達も来たんだ
イア:なんか、一息つきたかったので…
りおん:食べるのだ!
ミズキ:りおん、ほどほどにしてよね…

テル:ミズキさん、こっちで調べた内容の中に、貴女から聞き出したい事もあったので、ちょうど良かったです。食べながら飲みながらでいいので、お聞きして良いですか?
ミズキ:いいですが、のんびり行きましょう
めぐみ:そうですね、私もなんか食べたいし
学歩:緑茶とお団子はあるでござるか?

 そんな中、ルカ姫だけは、こういう光景を見つめながら、頷いてました。

ルカ姫:うんうん、そうそう。こういう感じが私たちらしい、『冒険のありよう』よね♪ なんか今までが暗すぎたのよ…

そして、全員で食べながら飲みながらの談話が続いたのでした。

***

(ヤマト国 某所)

 ガガーーーーーン!!!! ズガーーーーーーーン!!!!

 爆撃の轟音が戦場に響き渡っていたのでした。

兵士:ミゥ様! 陸戦型のギア共に、第5防衛ラインを突破されました!
ミゥ:くぅぅ・・・・あと4つしか猶予はないか…
兵士:魔導師の魔力バリアーと、こちらのギアの応戦では、第4ラインも危ないです!
ミゥ:・・・・・・ミズキ、ゆうま、りおん・・・・・早く素材を持ってきて!

 ヤマト国は緊迫の様相を呈していたのでした・・・・・・

(続く)

CAST

イア:IA-ARIA ON THE PLANETES-
ルカ姫:巡音ルカ
魔導師アペンド:初音ミクAppend
魔導師テル:氷山キヨテル
僧侶リン:鏡音リン
勇者レン:鏡音レン

異国の剣士 神威学歩:神威がくぽ
裁判官 勇気めぐみ:GUMI

ヤマト国からの旅人三人組
瑞樹(ミズキ):VY1
勇馬(ゆうま):VY2
兎眠りおん(りおん):兎眠りおん

ミゥ:Mew

その他:エキストラの皆さん

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

Dear My Friends!第2期 第14話 3人組の素性

☆オリジナル作品第16弾である、「Dear My Friends!第2期」の第14話です。

☆ミズキ達の素性のお話です

☆今回はちょっとひと休み回・・・・・と、思いきや・・・・・

☆ヤマト国の状況、かなりヤバイみたいですね。

***

私がここに投稿したボカロ小説のシリーズ目次の第1回目です。第1作目の“きのこ研究所”~第8作目の“部室棟”+番外編1作目です。
作品目次(2009/12/25時点):http://piapro.jp/t/5Qsh

同じく、目次の第2回目です。第9作目“鏡音伝”~第15作目“ルカの受難”の途中までです。
作品目次(2010年1月6日~2012年2月7日):http://piapro.jp/t/9GY1

更に、完結した『Dear My Friends! ルカの受難』のみの目次も作りました。
作品目次(Dear My Friends! ルカの受難):http://piapro.jp/t/qj6A

***

hata_hata様が、第1作目のきのこ研究所のイメージイラストを描いて下さいました!。まことに有り難う御座います!。
『「却下します!」』:http://piapro.jp/content/oqe6g94mutfez8ct

☆hata_hata様が、第2作目のきのこ商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『causality』:http://piapro.jp/content/c0ylmw2ir06mbhc5

☆nonta様も、同じく商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『ようこそ!、きのこ駅前商店街へ!』:http://piapro.jp/content/dmwg3okh7vq1j8i1

☆あず×ゆず様が、第8作目の部室棟の死神案内娘“テト”を描いて下さいました!。本当に有り難うございます!。
『おいでませ!木之子大学・部室棟へ♪』:http://piapro.jp/content/rsmdr1c3rflgw7hf

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投稿日:2012/12/17 23:14:27

文字数:4,060文字

カテゴリ:小説

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