約束をした。
思い出す景色は満開の桜で彩られている。
『やくそくするよ!』
『やくそく?』
その時、僕は子供の必死さで誓った。
『いつか、リンがもどってきたら』
『うん』
その時は疑いもなく叶うものだと信じていた。
『僕がリンを守りたいんだ、ずうっと』
『・・・えっ』
君を悲しませるようになるかもしれないとか、
『じゃあずうっといっしょにいてくれるってこと?』
『うん!』
僕が苦しくなるかもしれないとか、
『!じゃあ私できるだけ早くもどってくる!レンといっしょにいたいもん!』
どうしようもないことが起きる可能性とか、全然考えていなかった。
『うん!僕待ってるから』
そして結局、
『ここでずっと待ってるからね!』
誓いは嘘になる。
桜よ、教えてあげて欲しい。
あの日の僕らに、未来の僕らがいかに幸福でいかに不幸であるかということを。
重なり合う白いかけらよ、空を舞え。
この思いはそれに乗り、空を渡るだろう。
そして届け、君のもとに。
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ご注意ください。
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