約束をした。




思い出す景色は満開の桜で彩られている。

『やくそくするよ!』
『やくそく?』

その時、僕は子供の必死さで誓った。

『いつか、リンがもどってきたら』
『うん』

その時は疑いもなく叶うものだと信じていた。

『僕がリンを守りたいんだ、ずうっと』
『・・・えっ』

君を悲しませるようになるかもしれないとか、

『じゃあずうっといっしょにいてくれるってこと?』
『うん!』

僕が苦しくなるかもしれないとか、

『!じゃあ私できるだけ早くもどってくる!レンといっしょにいたいもん!』

どうしようもないことが起きる可能性とか、全然考えていなかった。

『うん!僕待ってるから』


そして結局、


『ここでずっと待ってるからね!』




誓いは嘘になる。



桜よ、教えてあげて欲しい。

あの日の僕らに、未来の僕らがいかに幸福でいかに不幸であるかということを。













重なり合う白いかけらよ、空を舞え。

この思いはそれに乗り、空を渡るだろう。







そして届け、君のもとに。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

桜に、雪に(私的花吹雪・風花舞)1

ウタPさん大好きです・・・
情景が綺麗すぎる二曲ですよ!

全5話で完結する予定。いや5「話」というのもおこがましいですが・・・

閲覧数:980

投稿日:2009/11/03 17:50:45

文字数:469文字

カテゴリ:小説

ブクマつながり

もっと見る

クリップボードにコピーしました