「まだかしら・・・」
客間のソファに座り、呟くアリス。時刻はもう午後になっていました。
「もうじき来るとは思うんですけど・・・」
「ねぇ、立ちっぱなしはいくら執事でもキツいでしょ。・・・私の隣、座っていいわよ」
「えっ・・・! いっ、いえ、その言葉だけで十分ですよ・・・っ」
「そう? ほんとにキツかったら座っていいから。・・・まあ、小心者な執事に、私の隣に座るなーんてこと、できっこないけど」
「・・・・!」
「あら、そんなに驚くなんて、私何か言ったかしら?」
「・・・っ」
「あら、そっぽ向くなんて、執事ってば可愛いんだからー」
「・・・あの、」
執事が何か言いかけた時、客間の入り口のドアが開いて、
「この国の中で一番の占い師、リリィ様を連れてきましたわ! ・・・さ、リリィ様、中へ」
メイドに促され、長い金髪をなびかせた占い師が、客間に入ってきました。
「・・・」
「・・・執事、この女に一目惚れしたら、メイドたちに即刻言いつけるから覚悟しなさいよ」
「・・・そんなのは、ないですよ」
「本当かしら・・・」
「あの・・・、・・・あなたたちが、あのうさ耳カップルの、アリス様と執事様ですか?」
凛とした、しかし見た目に似合わない低い声で聞く、リリィ占い師。
「うさ耳カップル・・・」
「いやぁ、噂は空気よりも早いですねw」
「・・・執事、つまらないボケはやめてちょうだい。空気じゃなくて、音よ。音」
「うわぁw アリス様と執事様って、普段からそんな感じなんですか?」
アリスと執事の会話に、声のオクターブが上がるリリィ占い師。
「そうですよ」
「そうよ。いっつもこんなんだから、疲れちゃうのよ」
「大変ですねーw ・・・でも、ほんとは、楽しいとか嬉しいとか、そういうのあるんじゃないんですか?」
「えっ・・・」
「・・・そうなんですか?」
一瞬固まるアリスに、少し嬉しそうな執事がたずねました。
「・・・うっ、うるさい!! こんな会話をするために、あなたを呼んだわけじゃないのよっ!」
「・・・ああ、すっかり忘れてました。それで、糸が青いって・・・、・・・どこにあります?」
「・・・・・ここよ」
アリスは左手を、リリィ占い師に見せました。
「・・・・・・・・目には見えない青い糸・・・、私が知っている限りでは、そうですね・・・」
リリィ占い師は、少し考えて、
「青は空の象徴です。これをお忘れなく」
「・・・青は、空を象徴・・・」
「赤は好きな人と、青はもしかしたら空と、つながっているんでしょうね」
「空・・・秘密の図書館・・・そうよ、そうなのかもっ!!」
アリスはそう叫んで、リリィ占い師にぺこりと頭を下げました。
「ありがとう、リリィ占い師。おかげで、手がかりが分かったわ」
「お役に立てれて、良かったですよ。・・・では、また、何かありましたら、いつでもお呼び下さいね」
そう言って、アリスと執事に頭を下げてから、部屋から出て行きました。
「・・・ところで、あれはどうなるんですか?」
二人っきりになった空間の中で、うさ耳執事はアリスを見ました。
「よし! 手がかりも見つかったことだし、今からこの糸をたどって、秘密の図書館に行くわよ!」
はしゃいでいるアリスは、執事を見て、
「・・・今は、お預けよ。この謎が解けたら、してあげるわ」
「・・・・・・分かりました。それで、その糸は、どっちの方向に続いているんですか?」
「・・・うーん、はっきりとは分からないけど、中庭・・・かしら?」

こうして、青い糸をたどるっために、二人は、中庭の方へと向かうのでした。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

不思議の国のアリスとうさ耳&執事+眼鏡verカイト その24

こんにちは、もごもご犬ですこんばんは!
ここ数日はやけに忙しくて全く作品描けなかった・・・。

さて今回は、アリスと執事の話です!
青い糸について進展するのですが、本当にそんなものあるんでしょうか?

作品の中で初めてリリィさんを登場させました!
っていうか占い師っt((
短い登場シーンでしたが書いてておもしろかったです><!

次回は、いよいよ謎の場所・秘密の図書館が登場すると思います、お楽しみに!

閲覧数:119

投稿日:2010/10/23 14:20:38

文字数:1,487文字

カテゴリ:小説

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