ウィーン・・・。
「これって・・・」

ここは秘密結社ジャスティス日本支部の基地、のコンピュータールーム。
一つのPCの前に立っているのは、卑怯戦隊うろたんだーのメンバー・卑怯イエローこと、鏡音レン。

なぜ彼がここにいるのかというと・・・簡単にいえば、潜入工作のためだ。
元々ブルーのカイトがやるはずだったのに、奴はよりにもよってアイスの食べすぎで腹壊して調整、という、なんとも情けないことになってしまった。
そのせいで、代打としてレンが動いている。
しかし、やはり慣れないことはするもんじゃないな・・・とレンは思っていた。
なんとなく、気づかれてしまった気がする。
(さっさと帰ろ。クソッ!あのバカイトめ・・・)
悪態をつきながら入ったのが、ここ、PCルームだったというわけだ。

せっかくだから弄くってやろうと思ってハッキングを始めたのだが、これがビンゴだった。
ものは試し、とやった方法で、なんとあの「アルメリア」のデータに進入できた。
「やってよかった・・・。これ実現してたらウチさすがにマズイだろ」
早速ウイルスを送ってPCごと・・・と思ったが、その矢先にドアを叩く音がした。
「うろたんだー!いるんだろう!出て来い、開けろ!」
(げっ!)
時間がない。レンはカイトほど卑怯の手はずは持ち合わせていない。
しかし、ここで逃げるとアルメリアのデータは・・・。

「本部、本部、こちら鏡音レン」
『どうぞ。こちらメイコ。どうしたの、レン』
「ジャスティスのPCからアルメリアにハッキングできたんだけど、そこでやばいもん見つけたんだ」
『お手柄よ、レン!どっかのアイス野郎とは大違いね』
「でも・・・ごめんメイコ姉、僕ちょっと今やばいんだよね・・・」
『レン?』
「今からウイルス送ってたんじゃ間に合わない。だから・・・ゴメンね」
『え?アンタ何言って・・・』
「本部に要請する!『鏡音レン』を『ごみばこ』へ!」
『は・・・はぁ!?』
「このデータを僕のファイルに盗むから、『ごみばこ』に捨てて『空に』して!」
『レン!馬鹿な真似は止めなさい!待ってて、今援軍を・・・』
「データの盗みは完了!本部!」
『レン!待ちなs・・・了解、『鏡音レン』を『ごみばこ』へ・・・ちょ、総帥!』

レンはそこで通信を切って、目を閉じた。
(迷惑かけて、ごめんなさい)
心の中で静かに謝り、仲間のことに思いをはせる。
意外と怖くなかった。でも・・・でも・・・・・・
                 ブツン

ドン!!
「うろたんだー!動くな!今日ここで・・・」
隊員を率いた村田隊長がPCルームに乗り込んだ直後、黄色い髪の少年は崩れるように床に倒れた。
隊員の一人が罠かもしれないと思いながらも、少し不安になって少年を揺さぶった。
しかし、反応がない。少年の目から水滴が一しずく流れた。
「ま、まさか・・・」
「い、いや、この少年はアンドロイドだ」
「じゃぁ、まさか・・・」
「足手まといで、切り捨てた・・・?」
「ひでぇ・・・」
こうなると放っておけないのがジャスティス、そして村田隊長である。
反応のないアンドロイドの少年をおんぶし、地下の格納庫にそっと置いた。
「明日、新しい命をやるから、な」

一方
「レンちゃんが?」
「ええ・・・」
メイコから話を聞いたミクは涙をこらえきれず、一緒にきたがくぽに抱きついて泣いた。
「すぐに救出をせねばレン殿は・・・!」
「わかってるわ。でも、今向こうは厳戒態勢なのよ。こっちはカイトが動けない。それに、レンのデータは今はもう・・・」
メイコが頭を抱える。
            カチャ キィ・・・
「・・・リン?」
「ね、盗んだデータは消したの?」
「え、ええ・・・」
「ふーん。ならメイコ姉、車庫のカギ」
「・・・リンちゃん・・・まさか」
「あたしにしか、できないもん」
「しかし、危険でござる!」
「大丈夫。めんどくさい事はぶち破るから」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・晩御飯には帰ってらっしゃい」
メイコはカギをリンに投げて渡した。
「一発、叱ってくるね!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

「卑怯戦隊うろたんだー」の世界観で「ごみばこ」~「サルベージ」を小説にしてみた ①

妹との会話の中で出来上がった産物。
カイト、すまん。

それにしても・・・ヒドイなこれ。
頭の中じゃもう少し泣ける筈だったのに・・・。

次はリンのターン(予定)です。

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投稿日:2008/12/09 12:31:34

文字数:1,714文字

カテゴリ:小説

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