傀儡人形と化した僕は、
真っ暗闇な時間(道)を独りで歩く。
飛び散った想いの欠片を道標に。
拾い集めても、元に戻らないことは解っているけれど。
鋭い先端が胸の傷を抉る。
滲んだ鮮血に解けた涙。
悲痛という火種の中を、純粋という素足で駆け抜ける。
喜劇を望めば望むほどに、やってくるのは悲劇だけ。
灰被るシンデレラ。泡になった人魚姫。目覚めない眠り姫。
僕も、その一人に名を連ねてしまうの?
太陽は、僕の傷痕をさらけ出してしまう。
満月は、僕の過去を仕舞い込んでくれる。
欠片を拾うたびに、記憶の君が笑いかける。
愚かだと嘲笑っているの?
過ぎた想いを捨てきれないこの僕を。
きっと、君はそんなものとっくに振り切って、
煌めきと輝きの中心でその笑顔を振りまいているのだろうね。
極彩の世界が淡く朧げになって、僕の心はまた、昔の灰色に戻る。
傷だらけの足を進める。満月を隠した闇が、僕を世界から隔絶していった―――
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