願い
目が覚めた。
ベットから起きて、やっと思い出す。
―――ここは反転世界だった。
帰り方がわからないので、反転世界のレンの部屋に泊まらせてもらったのだった。
パジャマも借りている。
と、いうことは…。
ガチャ。
「リント~?」
「…」
リントの寝ているベットに近寄った。
レンが短髪になったらこんな感じかな?
しゃがんでリントのほっぺをつつく。
やわらかいな~。レン程じゃないけど。
「ん~…」
布団のなかでリントがもぞもぞと動く。
やっぱり。
この反応はまるで私だ。
「リント~…?」
「ん~…」
我ながらもやもやするな、これ。
レンが乱雑に布団をあげる理由がわかった気がする。
「おはようございまーす!!」
耳元で叫ぶ。
「う、うわっ!何?」
リントが勢いよく起き上がる。
「…なんだ、リンか。おはよ」
「おはよう。あ、どうすればいい?このパジャマ」
「えーと…。まあ、適当に置いておいてくれればいいよ」
「分かった」
借りている部屋に戻り、着替えをした。
「そういえば朝ご飯とかって食べてる?」
「うちは食べてないよ」
VOCALOIDは『ご飯』は基本いらないので、朝ご飯を食べたり食べなかったり家によって様々だ。
「そうか。じゃあ、始めようか」
「うん」
反転世界のレンが消えたところには、白いビニルテープで×印がはってあった。
リントが深く息を吐く。
リントの眉間にしわがよる。
魔方陣が開く。
魔方陣が回り始める。
確実に時間は戻っているようだったが、リントがきつそうだ。
――反転世界のレンだけでいいから…。
願いを込め、リントの手に自分の手を重ねる。
目を伏せ、自分の出せる限りの力を込める。
お願い――。
あたしも倒れそうになったとき、魔方陣が光りだした。
その光はみるみるうちにあたりを包み込み、真っ白になった。
――あたしたちは倒れた。
…
…ン
「…リン」
「リン!」
「うわぁぁッ!!」
あたしは跳ね起きた。
リントのとなりには…。
反転世界のレン、レンカさんがいた。
「良かった。成功したんだね」
「あぁ」
リントは、この上ない嬉しそうな笑顔をみせた。
そのとなりでレンカさんも微笑んでいる。
「私、本当にもう消えちゃったのかと思った。でも、また帰ってこられて、リントにも会えて…。本当にうれしいよ!ありがとう」
良かった。本当に良かった。
でも、なぜか複雑な気持ちになった。
レンは帰ってこないって分かっているのに…。
あたしは何を期待しているのだろう。
レンカさんが帰ってきただけで十分じゃない。
色々な気持ちが混ざりすぎて私の心の中はどうにかなってしまいそうだった。
次回に続きます。
コメント0
関連動画0
オススメ作品
夏の終わり貴方と出会い始まりました
秋の初め貴方を思い苦しみ始めました
冬の初め貴方の観察始めました
春の初め貴方と再会を果たせた気がして
一つ二つ消えゆく 貴方の爪痕さえ
一つ二つ消えゆく 貴方の香り
夏の終わり貴方を眺め手首切りました
秋の初め貴方を願い切り刻んでいました
冬の初め貴方を抱いて泣...7月7日26時5分-歌詞-
うみ
ミ「ふわぁぁ(あくび)。グミちゃ〜ん、おはよぉ……。あれ?グミちゃん?おーいグミちゃん?どこ行ったん……ん?置き手紙?と家の鍵?」
ミクちゃんへ
用事があるから先にミクちゃんの家に行ってます。朝ごはんもこっちで用意してるから、起きたらこっちにきてね。
GUMIより
ミ「用事?ってなんだろ。起こしてく...記憶の歌姫のページ(16歳×16th当日)
漆黒の王子
ポッピンキャンディ☆フィーバー!
作詞・作曲 キノシタ
あの日忘れた夢色も 昨日謳った涙色も
有り体に言えないね だからとっておきの魔法をかけよう
キャラメル・キャンディ・チョコレート
お洒落でカワイイティータイムは なんか疲れちゃいそうだし
アゲアゲで行こうよ(アゲアゲ!)
コツは楽しんで楽し...ポッピンキャンディ☆フィーバー! 歌詞
キノシタ
おはよう!モーニン!
全ての星が輝く夜が始まった!
ここは入り口 独りが集まる遊園地
朝まで遊ぼう ここでは皆が友達さ
さあ行こう! ネバーランドが終わるまで
案内人のオモチャの兵隊 トテチテ歩けば
音楽隊 灯りの上で奏でる星とオーロラのミュージック
大人も子供も皆が楽しめる
ほら、おばあさんもジェ...☆ ネバーランドが終わるまで
那薇
chocolate box
作詞:dezzy(一億円P)
作曲:dezzy(一億円P)
R
なんかいつも眠そうだし
なんかいつもつまんなそうだし
なんかいつもヤバそうだし
なんかいつもスマホいじってるし
ホントはテンション高いのに
アタシといると超低いし...【歌詞】chocolate box
dezzy(一億円P)
アイカスケード歌詞(テキスト)
イントロメロ
キューティーハニーなパンチボーイ
ガールズファンディーぽぺぱに
プログレスの数だけあるよ君のストレスハーモニー
Aメロ
あの日のことだっけ初めて君に触れた日は
切ない歌も似合うけど君の声が好き
ねえなんで君はそうやって紛らわしいことするの
足りないよもっ...アイカスケード歌詞(テキスト)
ベトベンだったらいいのに
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想