荒んだ心が加速して
暗夜に舵もないままに
乗り出した世界戦線
宵闇に溶けていく

思い出と生きていくなんて
綺麗事を並べては
思い出に熱はないよと
冷えきった体 自分で抱いた

ここはどこだ 深海のように
歪んだ輪郭の隣人が
暗闇で手招きする
そちらの水もこちらの水も
水はただの水でしかないのに
甘いだの苦いだの
比べることすら馬鹿らしい

わずかな街灯に照らされた
ごみ置き場には魑魅魍魎
破けた賞状や壊れた表彰台が
乱雑にばらまかれていた
がらくたに埋もれるように
幼い私が捨てられて
ほこりを被った希望とやらが
詰まったぬいぐるみを抱いている

ずっと一緒という言葉だけが
私の視界を照らしていたなら
ひび割れた思い出に
砂を噛むような苦々しさと
愛した数だけの憎しみを
詰め込んでこの眼を潰したい

爪の先から砕け散る
君を好きだった私が
いっそこのまま灰になって
君を泣かせる塵になって
毒になって芥になって
常闇に沈ませて

荒んだ心が加速して
暗夜に舵もないままに
乗り出した世界戦線
宵闇に溶けていく

愛していると呟くには
心はとうに渇いている
愛していたと叫ぶには
吹き出す血が生々しい
どうしたいと聞かれても
既に終わった物語に
付箋をつけて赤線を引いて
一体なんの意味がある

ここはどこだ
私は誰だ
歪んだ輪郭の隣人が
暗闇で私を手招きする
しにたいかという問いかけは
「死に体」という確認か

それとも

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

暗夜行路

題名にどこか既視感を感じてしまった方、すみません。
某著名な作品とは何にも関係がありません。
暗い夜の路を行くという意味で題名を考えたときにこれしか浮かびませんでした。誰かの琴線に触れられていたら幸いです。

閲覧数:173

投稿日:2013/08/19 22:14:50

文字数:623文字

カテゴリ:歌詞

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