6月ハーモニー 未来音符 そのさん
「な、何やってるの?お母さん…」
おかしな行動をしてる背中に話しかけると
「う~~ん、洗濯物がね~~乾かないからね~~こうやって乾かしてるの~」
なんて効率の悪いやり方だ…
「いやいや、お母さん、クーラーとかつければいいじゃん…」
呆れたように言うと、お母さんは扇ぐのを止めて私を見て
「だって~~クーラー嫌いなんだも~ん…寒くなっちゃう~」
そうだった、クーラー嫌いだっけ…
「だったら…扇風機でいいじゃん…よりにもよって団扇でやらなくても…」
お母さんは両手を腰に当てて叱るように
「扇風機は7月になってからでしょ~~?ウチの決まりでしょ~~?」
効率よりも重要な決まりなのか?
私は台所に行って冷蔵庫の午後ティーのレモンティーを飲みながら
「まぁいいや…頑張ってくださいや…それよりも晩ご飯はなに?」
台所には晩ご飯が見当たらない
するとお母さんは和室から顔だけ出して
「カレーの、予定~~」
「は?なに予定って?」
「ずっと扇いでたからまだ作ってないんだ~~」
お母さんはさも当たり前のように言った
「は?なにそれ?え?ずっと扇いでたって、え?いつからやってんの?」
「えっと~確か3時ぐらいからやってるかな~~?」
お母さんはリビングに来て時計を見ながら言った。ちなみに今は6時。
「は?お母さん3時間も扇いでたの?馬鹿じゃないの!?
なんで扇ぐの止めて作らないの?お父さんも帰ってくるでしょーよ?」
「ひ、酷~~い、お母さんに馬鹿って言った~~
洗濯物を乾かすために一生懸命がんばったお母さんに馬鹿って言った~~
せっかく韓流見ながら頑張ったのに~~夢中で2時間だけ扇がなかったけど、
1時間も頑張って扇いでたのに~~酷~~い」
泣きかけているお母さんに
「2時間は楽しんでたんじゃん!つーか扇風機を使いなよ!!
うちの決まりとか別にいいじゃん!!その扇がなかった2時間が無駄だよ!!」
「ミクが私に怒った~~何で~~お母さん何かしちゃった~~?
あんなに頑張ったのにあんまりよ~~ひぃ~ん」
お母さんはマジで泣き始めたので
「あぁ~ごめんなさい!私が悪かったから泣かないでよ…」
「ううぅ…すん…頑張ったのよ~~褒められてもいいのに~~」
「あぁはいはい…頑張ってありがとう…だからご飯を作ってくれますか?」
冷蔵庫から野菜や肉を取り出してカレーを作ってと要求すると
「ううぅ…ミクに怒られたから作る気無い…やだっ…」
「子供か…じゃあどうするの晩ご飯…」
「ミクが作ればいいじゃん…私は扇いでるからさ~~」
椅子から立ち上がり、ぶす~っとむくれながら和室に戻っていった
「えぇ?マジで?そんな理由で私が作るの?ちょ?お母さん!?」
パタパタパタ…
お母さんは洗濯物の乾かしを再開した
こうなったお母さんは頑固で聞く耳を持たないので
「はぁ~しょーがないな…」
久々に私が晩ご飯を作ることになった
私の家でのカレーはまず、人参を乱切りにして先に鍋で煮始める。
そして人参を煮てる間にジャガイモを炒めて、玉ねぎを半玉分を切ったもの
も炒める。残りの半玉はみじん切りにして、炒める。
そして肉を炒めて、玉ねぎやジャガイモがいい感じになったら鍋に投入する。
ここまでの使用時間は約10分。
カレー作りだけは慣れているので割りと早い。
そして20分ぐらいの間、アクを取ったりして、ルーを入れる。
ルーを入れてからさらに20分ぐらい煮て
「できた~」
カレーが8割がたできあがった
しかし私にはスパイスを入れて完成させることはできないので、
「お母さ~ん?カレーが出来たんだけどさ~」
和室でおそらくまだ拗ねているお母さんに仕上げを頼みに行くと
「ふ~~ん。だから何~~?」
パタパタと団扇を扇ぎながら私の方を見ずに返事した
まだ拗ねてんだ…
そんな拗ねているお母さんに後ろからギュッと抱き着いて
「スパイスのこととか私には分かんないからさ~お母さん仕上げてよ。ね?」
と言うと
「っ!…まったく~~しょーがないわね~~お母さんを見て勉強しなさい」
即効で機嫌が直ったお母さんが立ち上がった
そして台所に行って、コリアンやらシナモンといった調味料をいくつも
パパッと入れて、最後にとき卵を入れて
「はいっ!これで完成~~分かった?ミクも覚えておきなさい。い~ね?」
自慢げな顔で私に教えてくれた
「は~い。分かりました先生~」
「さ、次はサラダを作りま~~す。まずはレタスを洗いましょう」
と料理教室が始まってサラダを作り始めたところで
「ただいま~」
お父さんが帰ってきたので2人で返事した
「「お帰りなさ~~い」」
お父さんは私とお母さんがいる台所に来て
「おっ、今日はミクも作ってるのか~楽しみだな~」
そう言って親バカ丸出しの顔で着替えに行った
そしてサラダも出来たところで
「できた~?」
とお父さんが来たので
「「出来たよ~~」」
またも2人でハモッて、テーブルにカレーとサラダを置いて
「じゃあ食べましょう~~」
お母さんが言ってみんなで晩ご飯を食べ始めた
ちなみに私は制服のままだけど
ご飯を食べてるときに機嫌が直っているお母さんが
「ん?ミクは何か悩みでもあるの~~?」
私の顔を見ていきなり聞いてきた
「っ!い、いや?何にも無いよ…」
私は驚いてしまった
ま、まさか前みたいに顔を見てるだけで私の悩みとかが分かるのか?
ま、まずい…
危険を感じて私がお母さんから顔を背けると
「じ~~」
「や、止めて!見ないでよ…」
両手で顔を隠すがお母さんは
「っ!お父さん!ミクったら男の子にデートに誘われたみたい!!」
驚いて隣でカレーを食べてるお父さんの肩を叩いた
「ぶっ!!」
ありえないほどの洞察力に私は吹いてしまったが
「へ~、お前もやっと男の話が出てきたか…」
お父さんは特には驚かなかった
「そ、そんなこと無いよ…お母さんの、か、勘違いじゃないの?」
吹いて無駄だと思いつつも、しらばっくれると
「しかも今週の土曜にデートで、日曜はその男の子の部活の応援に行くん
ですって!!なんでも土曜は映画に行くらしいわ!!」
お母さんはお父さんの肩をガクガク揺らし、かなり興奮してる
「ぶふぉ!な、何でそこまで分かるの!?超能力者の域だよ!!嘘でしょ!?
つーか、日曜はまだ未定だし!行くって決めてない!!」
墓穴を掘っているのは分かっているが、
もうこうなったら隠してても意味ないし!
あえてお母さんに反論すると
「え~~?でもミクはほぼ100%行くって決めてんでしょ~~?
お父さんミクがデートするんだよ?ど~しましょ~~?」
そう笑っているお母さんに肩を揺らされてるお父さんは
「ど~しよ~って言われてもねぇぇぇ~とりあえず揺らすの止めて?
ちょっと酔ってきちゃったから……ありがと……水…んぐんぐ…ぷは~
…やっとミクにも男の話が出てきたか~まぁ遅いぐらいかな?
16なんだし、彼氏の1人でも作んないのかな~とずっと心配してたんだぞ?」
余計な心配をしてくれて、どうもありがとう…
「別に彼氏とかじゃないし…付き合ってないし…」
「相手って一ヶ月前にウチの前で告白したって子?あらま~~
どうなったか気になってたけど~~ようやくデートに誘われたんだ~~」
海斗先輩のことを全く話してないにも関わらず、相手の特定をしたお母さん。
だから何で分かるのよ!?
「も、もう止めて…恥ずかしいから聞かないで…勘弁してください…」
海斗先輩のことを話せることはあんまり無いけど
親に対して恋愛相談とか…したくない
してる子はしてるだろうけど、私はなんか嫌だ…
お母さんとの会話を終わらせるために急いでカレーを食べてると
「デート代とか、デート服買うのにお金がいるんだったら言いなね~
臨時の小遣いをあげてもいいからな~」
お父さんが優しい提案をしてくれた。
「ご馳走様でした!!」
立ち上がってお皿をシンクに運んで自分の部屋に向かった
「お父さ~~ん、私達も土曜辺りに映画を見に行こうよ~~」
「そうだな…久々にデートする?」
ラブラブ夫婦の会話が背中に当たった
うっさいな~
そして自分の部屋で着替えてから
流香先輩…いま電話しても大丈夫かな?バイトとかしてる最中かな?
ベッドに座り、時計を見ながら悩んだ
でも海斗先輩のことは流香先輩も関係してるし、それに土曜日までには
あと3日しかないし…あ、でも流香先輩は、海斗先輩と出会ってからは2人の
問題だって…私にも無理に付き合えって言わないって言ってたし…
でも~海斗先輩にはもうOKしちゃったから、せめて流香先輩の意見を…
どんな服を着ていけばいいか分かんないし…映画のチケットを買うときの
タイミングってゆーのかな?そーゆーのは普通、男の子が払うらしいけど…
そーゆーのも分かんないし…大人な流香先輩なら知ってるだろうから…
ま、まぁそれに流香先輩も私と海斗先輩のことを気にしてるはずだし…
そう結論付けて携帯を開き
プルル~
流香先輩に電話した
プルル~、プルル~
これは報告でもあるからね…
プルル~、プルル~、プルル~
あれ?先輩…出ないな…
プルル~、プルル~、プルル~、プルル~
やっぱり、バイト中だったのかな?
プルル~、プルル~、プルル~、プルル~
留守電にもならない電話に
また後でかけよう…
切ろうとしたら
『もしもし?ミク?ゴメンね、すぐ出れなくて…でも助かったわ~』
流香先輩がやっと出てくれた
「もしもし?流香先輩ですか?ミクです、え、何ですか助かったって?
どうかしたんですか?」
電話からは先輩の声と、その後ろから賑やかな声が聞こえてくる
居酒屋みたいな…
『えっとね、サークルの合コンになかば無理やりに誘われててね、
どうにか抜け出せないかな~って思ってたときにミクから電話が来たの。
それで彼氏から電話が来たんで帰りますって言ってお店を出たってわけ。
いや~助かったわ~ありがとね、ミク』
「そうだったんですか…そうですよね、大学に行ってるから合コンとか
そうゆうことってありますよね、なんだか大学生っぽいですね~」
『断ったんだけどね~それでもどうしても!って言われて…
いや~でも本当に助かったわ~それで?何か用?』
流香先輩はいつも通りに優しかったので
「はい…え~っとですね…海斗先輩のことなんですけどぉ…」
『うん、海斗君がどうしたの?あれから何か進展あった?
あっ!もしかして海斗君にデートにでも誘われた?な~んてね…』
先輩は自分で言って自分で冗談と言うが
「あっ、はい…今週の土曜に映画に行かないか?と、日曜にはサッカー部の
試合があるから、それの応援に来て欲しいと…
今日、一緒に帰るときに、そう言われました…デ、デートに誘われました…」
デートと言ったら照れてしまった
『本当っ!?マ、マジでデートに誘われたの!?そ、それで!?
それでミクは何て言ったの!?行くって言ったの!?』
な、なんで流香先輩が驚いているんですか?
「はい…行くって言いました…そ、それでそのことを流香先輩に相談しようと、
電話しました…どんな服を着てったらいいか分からないので…」
『行くって言ったの!?そう、良かった~~服ね?
任せて!ミクがすっごく可愛く見える服をバッチリ選んであげるわ!!』
先輩はどこか嬉しそうに相談に乗ってくれた
「べ 、別に私が可愛く見えなくてもいいですよ~、ただ男の子と映画に
行くのに変に見られないように、とゆうか…
おかしくない程度で構わないってゆーか、何てゆーか…」
海斗先輩に可愛く見られたいとかそんなんじゃ…
へ 、変な格好で行ったら先輩に悪いから…ただそれだけってゆーか…
ツンデレじゃないですよ?初めてのデートだから失敗したくない、みたいな…
『分かった分かった…じゃあ金曜とか学校が終わったら会わない?
メゾールで一緒に服見ましょう?会える?』
先輩の提案が嬉しかったため
「はいっ!大丈夫です!会えます!先輩と久々に会えて嬉しいです!!」
喜んでOKした
その後、流香先輩と話しながらお父さんに臨時のお小遣いを貰おうと決めた
流香先輩と電話してから2日後の金曜日。
授業が終わり部活の時間になった。
「ミク~部活に行くよ~」
サトミが私の席に近づいて言ってきたが
「ごめんサトミ。今日は部活に行けない」
私も席から立ち上がり謝った
「え~?何でよ~?」
「これから流香先輩と久々に会ってメゾールに行くからなの。服…とか…
一緒に色々と買い物をしなくちゃいけないからさ…」
明日のデーt…お出かけの服とか靴とか買いましょうと流香先輩は言ってた。
サトミは流香先輩の名前を聞いた途端、顔が強張った
「え?これから流香先輩と会うの?マジで?わ、分かった。
今日の部活は休んでいいよ…ど、どうぞごゆっくり買い物を楽しんできてね…」
サトミはそう言い、そそくさと教室から出て行った
そんなに元合唱部の流香先輩が恐いのかな?
まぁ文科系の部活の中で、合唱部は化け物集団って言われているからなぁ…
でも5月に合唱部は無くなったのに…まだ噂とか残ってるんだな…
まぁサトミは中学が同じだから流香先輩のことも知ってるし、余計にか…
鞄を肩にかけて、友達のミキに手を振りながら
「じゃ~ね~ミキ、また来週~」
「うん、じゃ~ね~ミク、月曜ね…」
私に手を振るミキの顔がどことなく嬉しそうだったので、私は気になって…
6月ハーモニー 未来音符 その3
6月ハーモニー 未来音符 その3です
mikiを使って歌作ってるのに、この話でようやく出した。
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