【リレー】僕と彼女の不思議な日常 4

「ねえ。もしも『神のスゴロク』を自由に操ることができたらどうする? コマを自由にできたり、ね」

「……なんだと?」

初音は今なんといった? 神のスゴロクを自由に操る?

「……ちょっと頭が混乱しているんだが」

「あら。混乱するほどのことだったかしら? まったく普通のことだったと思うのだけど」

「これのどこが普通だ。ぼくらの言っていることはみな『非現実』だろう?」

「非現実? こんなの現実の範疇を超えていないくだらないことよ」

「? つまり君は『世界の仕組みをかえる』ってことか?」

「まあ、そういうことかしらね」

なんてこった。さっぱりわからない。

僕は頭を少し掻き毟った。でも答えは出ない。

「仮にだ、」

僕から、話を切り出す。

「仮に、その『神のスゴロク』があるとして、どうやっていく?」

「決まってる。神の空間へと行くのよ」

「……どうやって?」

「……『ハンプティ・ダンプティ』」

「え?」

「イギリスのマザーグースのひとつよ。王様でも治せない殻のこと。答えは卵なんだけどね」

「それがどうした?」

「世界を卵に見立てるとしましょう」

「うん」

「卵を調理するも孵化させるも、人間、即ちこのときでは神の思うがまま、ってこと」

「……すまん。さっぱりわからん」

「凡人にはついていけないかしら?」

「少なくとも僕は凡人ではないつもりだが」

「……まあいいわ」




初音は、部屋を出ていく最後に。


こうつぶやいた。



「1週間後。神のスゴロクに連れてってあげる。だからここでまってて」

そう言って初音は走り去った。





つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【リレー】僕と彼女の不思議な日常 4

ちょっとは進んだはず。第4話お待たせしました。

待ってないって? でしょうね! 第3話投稿してからまだ40分だもんね!

ユルカラインさんの第三話;http://piapro.jp/t/zANz


次回も見てねっ!

閲覧数:164

投稿日:2011/10/19 22:53:27

文字数:723文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました