【キズアト列車】
a
気怠げに歩みだした 扉の外では
焦がすような陽が差す
またか、裏切られた期待感と
眩しい匂いに噎せかえる
b
見慣れない駅を渡って
見知らない道を歩いて
両手首に集まる視線(目)が疎ましいの
s
本当は 大層な交通に物騒な高層階ビルに
あてられて目が回りそうなので
厳格な鉄塔も騒音も一般の振舞いも
見えない世界にそっと堕ちてしまいたいな
…最終の列車にそっとついていこうかな
a
常軌を逸してると昨日言われたんだ
聞き飽きた中傷は
寧ろ、心地好くていいじゃないか
陰で謗られるよりマシだ
b
どこへいけど目に付くのは
傷ひとつない細い腕…
庇う姿さえ馬鹿にしてるんでしょ?
s
実際は 透明な陽光も眼光も冷徹に感じて
正面向いた人(波)に逆らえないから
滑稽な血痕も創傷も浮き出した疵口も
見せない世界にそっと消してしまいたいな
…明日の始発にそっとついていこうかな
s
こんな物 脆弱な精神と壮大な現実逃避だった
煮え切らぬ感情麻痺させてただけ
有終も餞別もわざとらしい同情もいらない
知らない世界にふっと逝ってしまいたいな
s
本来は 平凡に淡々とそれなりに生を謳歌して
それで満足するはずだったんだ
偏見も劣等も羨望ももし全て妄想(ゆめ)なら
呆れるやり方で目覚めてしまいたいな
… 警報機(サイレン)合図に そっと踏み出してみようかな
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