「だあか~ら~、わたしは、まさくんがあ~だいすきなんれすぅ~ん……」
そう言って、金岡さんはまた寝てしまった。
当のマサさんは口をあけたまま黙っていたけど、やがて気付いたように、
「あ、め~ちゃん、酔い覚めた?悪いけど、タクシー呼んでくれるかな?」
そう言いながら、マサさんの顔がだんだん赤くなっていくのが見えた。
…………あれ?
私の、そうだ、胸って言うんだっけ?そこが痛い。
でも、何かにぶつかるような痛さじゃない。何だろう、この感じ
「ルカ、金岡さんと下の道路の所まで行って待っててくれないかな。すぐにタクシーが来ると思うから。」
マサさんのその指示で、この気持ちは消えてしまった。
そのあと金岡さんはゆすっても、起きないので、金岡さんの左腕を、私の肩にかけて下まで降りて行った。
外はまだ寒い。そのなかでタクシーを待ってると。
「……う、うん?」
金岡さんが目を覚ました。
「あ、金岡さん。もう少し待ってて下さい。今、タクシーが━━。」
「ねぇ、ルカさん。」
初めて金岡さんに言葉を遮られた。
そして、唐突に、
「私ね……。何か言っちゃった気がするんだけど、思い出せないの。ルカさん、何かわかる?」
……えっ。
言えるわけがない。
たぶん、金岡さんが言葉を濁してまで言いたかったのはこのことだ。
でも、金岡さんが覚えてないうちに勢いで言ってしまったことを、本人に伝えちゃっていいのかな?
「あの……」
とっさに何も言ってないと言おうとした。
だけど。
「ん?」
横を向くとまっすぐな眼が私を見ていた。
「金岡さんは、マサさんに、自分はマサさんが好きだと言いました。」
気がついたら口がそう動いていた。
金岡さんも、マサさんみたいにどんどん顔が赤くなってきていた。
「それ……ホント?」
すごく答えづらいですけど、本当です。
そう言うと金岡さんの眼に涙が浮かんできた。
「……あ、メイコさんのせいじゃないの。私が断りきれなったからいけないの。でも、たぶん、マサくんびっくりするだろうし━━」
そう言って、うずくまって泣き始めてしまった。
え、どうすればいいの?
何もできないままその場に立っていると、タクシーが来た。
「あの、金岡さんタクシー来ましたよ。」
そう言うと金岡さんは顔を上げ、
「え、あ、本当、ごめんね取り乱しちゃって。」
そう言った後、
「私の口から出ちゃったことだもん。私が何とかしなきゃね。ありがとう。一緒に待っててくれて。」
そう言ってタクシーに乗り込んだ。
「また来るわね」
そう言って金岡さんを乗せたタクシーは、走って行った。
私は、まだまだ分かんなきゃいけないこと、たくさんあるのかもしれない。そう思っていると、
「その通りよ」
後ろから声が聞こえた。
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ご意見・ご感想
warashi
ご意見・ご感想
お久しぶりです!
続き楽しみにしてました!^^
なんだか甘酸っぱい気持ちになるお話でした。
ルカの何ともいえない戸惑いにも、もどかしさを感じて手助けしてあげたくなります!><
あと一つ気になったのですが、金岡さんが泣き始めてしまった際に、メイコと呼んでいますが、これはルカの間違いでしょうか?←すみません、ちゃんと読み直していたら間違ってませんでした、本当にごめんなさい
最後に話しかけてきたのは誰なのか、とても気になる展開です!
また続きを楽しみにしています
2011/01/13 04:37:29
トレイン
朝早くにコメントしていただき、ありがとうございます。
今回は急いで書いたところがあり、やや要点をうまくかけたか不安でしたが、
満足していただけて何よりです。
自分も、高校に入ってから忙しくなってしまってなかなか手が回りませんが、それでも
喜んでもらえるよう頑張ります。
コメントありがとうございましたm(_ _)m
2011/01/14 00:14:06