「あれ?これ、宝マガジンの新製品?」
レンくんは、かわいい猫の柄のバッグを手にとった。
「この間まで、天使の柄のバッグだったけどね」
「そうね」
りりィさんは、うなずく。
彼女のお店「上海屋」に、きょうは、レンくんとゆくりさんが訪れている。
ちょっとうす暗い空間に、いろんなフシギな雑貨が並んでいる。
店の入り口の横には、新しく入荷した雑誌が置いてある。
雑誌のオマケは小さなトートバッグ。レンくんが手にとっているのは、それだ。
「こないだ、このバッグの作者の、霧雨さんと話をしたらね、」
りりィさんは言った。
「もう、マネッコをするのは止めたそうよ」
●デザイナーのインタビュー記事
「あらー、やっぱり、マネッコだったのー」
ゆくりさんが目を見張った。
りりィさんは続ける。
「そのとき、彼女から聞いたけど、この雑誌を出してる宝マガジンにね、彼女のお友だちの女の人が、バイトをしていたらしいの」
「ああ、この間、このお店に2人で来た人ねー」
ゆくりさんは言った。
「その出版社で、デザイナーにインタビューした記事があるんだけど…」
りりィさんは、カウンターの横のラックから、雑誌を取り出した。
「これだけど。ルカさんのところの“メグ・ハミング”の作者のデザイナーの記事ね。そのとき、これからの作品について、いろいろしゃべってたらしいの。オフレコでね」
「オフレコ?」
レンくんは聞いた。
「記事にしない、ウラ話のことよー」
ゆくりさんは言った。
●自分が作って出しちゃえ
「そうか。じゃ、霧雨さんはその友だちから、“メグ・ハミング”の新作のネタを聞いたのかもしれないね」
「そうみたいね」
レンくんの推測に、りりィさんはうなずいた。
「それなら、似たものが作れるわけねー」
ゆくりさんは言った。
「似たものを、自分が先に作って出しちゃえば、ルカさんとこの新製品の、売れ行きが鈍る…。あの人は、そう思ったんだね」
レンくんは、うなずいた。
「そうね。それは、彼女がファンであるテトさんを応援したいという、気持ちからだと思うけれど」
「そうなのー」
ゆくりさんは言ったが、首をかしげた。
「でも、りりィさんは、霧雨さんのその想いを、どこで見抜いたのー?」(・_・)......?
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