この街に逃げてきたのは もはや命懸けでもあって
数多の手を振り解いて 泣きべそかいてやって来た
何処なのかさえわからない場所で僕は独りぼっち
猫背のサラリーマンが煙草を捨てて去ってく街

ここが東京というものか 流れてく人に押されて
振り返ると誰もが死にそうな目をして歩いていた
全くよ、この世界には絶望しかねえのかよ
息がつまる空気たちに埃が舞っているのを見た

それらしく笑って 周りと同じ顔してろ
つまらねえとは言うな 大抵がそんなもんさ
生まれたときから知っていた でも知ってる自分が嫌いだった
嫌いだった

とっとと奴らから逃げてくれよ
聞いてくれよ なあ、タクシードライバー
それは洗脳 生き方を勘違いして擦りつけやがって
劣等感をぶつけるなよ 落とそうとしてんじゃねえよ
そうだ、これは駆け引きだ

僕が黙りこくっているから 車内には気まずさが飽和して
数多の思想が押し寄せて 息が詰まりそうな中で
騒々しい音楽がタイミングよく流れたから
ついには怒りさえどうでもよくなってきた

それらしく黙って 知らないふりでもしてろ
くだらねえとは言うな 後ろ指さされるぞ
運転手、あんたもそうやって育ってきたのか
ふざけんじゃねえ

とっとと奴らから逃げてくれよ
答えてくれ なあ、タクシードライバー
それは催眠 幸せを勘違いして擦りつけやがって
焦燥感をぶつけるなよ 背中押してんじゃねえよ
そうだ、これは駆け引きだ

積み上がる金額と比例してる沈黙
焦りが垣間見えてはありがちな話をして
「今日は晴れみたいですよ、天気予報で言ってましたよ」
傘を腕に提げてる OLを見ながら僕に言った
この街には信頼もないのか
当たり前か
洗脳だらけの街だから

それらしく笑って 無理に黙って
拳おろして 口を閉ざして
平和だなんだ言ってる
誰もが心臓に抱えて
大事にしている良心
誰もが腹に抱えて
隠してた

「お前のせいだ」

とっとと奴らを轢き殺してくれ
聞いてくれよ なあ、タクシードライバー
それは本能 理想論を理想のままで擦りつけやがって
不満感をぶつけるなよ 背中押してんじゃねえよ
そうか、これは駆け引きだ
終わりのないデスゲームだ

前ばかり見ている運転手の顔が
ミラー越しに見えていた
気力のない無関心な目
そうか、あんたも戦っているんだな

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

タクシードライバー

はじめまして、レルハルです。いやはや全く、変な詩ですが。某歌詞サイトの自作歌詞投稿でも活動しております。これは載せたことがありません。乱暴で上品さのかけらもない詩ですね。ごめんなさい。

閲覧数:72

投稿日:2017/12/11 18:49:29

文字数:978文字

カテゴリ:歌詞

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