カラン、と氷の音が聞こえる。
今日は仕事が無いため、がくぽは家の縁側で黄昏ていた。

「何で仕事でもないのに浴衣なのよ」

頬にひんやりとした物が触れたと同時に、聞きなれた声が聞こえた。
声のした方を見ると、そこには私服姿のルカがいた。
夏が嫌いなルカは、いつもクーラーがかかっている部屋に篭っているのだが。
「家のクーラーが壊れてるのよ。近くで涼しい場所ってここ以外に思いつかないし」
ルカは悪びれもなく呟きながら、手に持っていたラムネをがくぽに手渡し、自身はアイスの袋を開けた。


クリプトンの家とインタネの家は正反対の造りをしている。
昔ながらの日本家屋には、西洋の建物にはない”季節に合った暮らし”の工夫が為されていた。

「やっぱり、ここの縁側は涼しいわね」
「ここは夏の特等席だからな」
「その割には皆来ないのね」
「今日はみんな揃って買い物だそうだ」
「ふぅん」

どうやら今日はインタネ家全員がオフらしい。
ルカは興味無さそうに、手元のアイスを食べ進めた。シャクシャクと、子気味いい音が聞こえる。

アイスの棒が半分程露になったところで「あ」とルカが短く呟いた。

「どうした」
「当たった」
「何が」
「アイスよ」

当たり棒など、そうそう見れるものではないだろう。年中アイスを食べている人なら知らないが。
それをさらりと言った後、ルカは食べる速度を気持ち早めたようだ。

「...あげるわよ」
「その棒か?KAITOにでもあげとけ」
「いいから!!私はアンタにあげるのよ!!!」
この男はなんて自分に無関心なのだろう。少しの苛立ちを胸にルカは当たり棒をがくぽに押し付けた。


「私は帰るわね。今日はきっとご馳走ね、羨ましいわ」
じゃあね、とルカは勝手口から裸足で出ていった。
ルカは履物に関心がないのか、それとも隣だからいいのか、帰りにいつもサンダルを置いていってしまう。
今日も日が傾いたら持っていくか...とため息をつきながら、はてさて「ご馳走」とは何のことやらと不思議に思っているがくぽであった。


カラン、と音を立てたのは、溶けきった氷の音ではなく、ラムネのビー玉だった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【がくぽ誕】前座

がっくんお誕生日おめでとう!!!!
そして(投稿時間的に)お早うございますすぅです。
こういうぽルカも書いてみたかった...!!!と願いが叶った()作品となりましたwww
久しぶりにしっかりとしたVOCALOIDとして書いたかもしれない((
それでは。

閲覧数:160

投稿日:2014/07/31 07:31:14

文字数:903文字

カテゴリ:小説

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  • 雪りんご*イン率低下

    雪りんご*イン率低下

    ご意見・ご感想

    投稿時間に愛を感じますね!

    ぜひグミちゃんなどに誕生日会の映像を撮って欲しいです!
    そしたら言い値で買いますから…←

    2014/08/02 13:33:15

    • すぅ

      すぅ

      ありがとうございます!(その時間暇してたとか言えない

      グミ「いいねえいいねえ。じゃあ先輩の泣き顔写真、3000円でどう?」
      がくぽ「おまっなんて物を撮っているんだ」
      コメントありがとうございました!

      2014/08/02 19:41:15

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