「でも、ちょっと不思議なのよね」
グミにスマホを返し、初音が呟いた。
「何がだよ?」
「『Team MGR』よ。その言葉を知っているのは、本当にごく一部しかいないのよ」
「さっき言ってた…初音、ルカ、グミ、僕の四人…だったっけ」
「そう。それにMGR団はほんの僅かな時間しか活動してなかったし、箱庭の人間も知ってる人はいなかったはずだけど」
初音は鞄から自分のスマホを取り出し、いじり始めた。
「どうも引っかかるのよ…誰かに話してもいないのに、どうしてこれが暗号になってるのか」
「私も何も話していませんよ」
「グミは見ててわかるわよ。神威は思い出してないし、残る可能性は姉さんだけど…まぁありえないかな」
初音がうっかり喋った、とかはないのだろうか?
なんて思ってたら、グミの表情が変わった。
「……ミク姉さん、ビンゴです」
「お、ってことは暗号はあたりね。エラーはおk、セキリュティゲートのほうは?」
「入力しましたが……反応しませんね」
グミが『Enter』をタッチする度に、『ブー』という効果音が聞こえる。
初音の顔が不機嫌になった。君は子供か。
「グミ。あんた、ちゃんと入力した?」
「しましたよ。ほら」
「ん?あんた、Tが大文字になってないわよ。これじゃないの?」
「あ、本当です……よし。ゲート解除しました」
人騒がせな。
しっかりしろよ、結局グミのせいじゃないか。
「兄さん黙ってて」
「僕何も言ってないよね」
「言ってないけど、なんか聞こえたの」
「どっちだよ」
グミは画面に表示されるキーボードを凄い速さで入力している。
壊れないのか、と思ってたら、グミの手が止まった。
「……なにこれ」
「え、何々?」
「姉さんのほうにデータ送ります、少々お待ちを」
「いや、グミのほうで見せて」
初音がグミのスマホを覗き込む。
『問題を解いても終わらない
戻って鍵を探し出せ
すべてを知るのは書き手のみ
ほんとうの真実はそいつが知っている』
……何これ?
「書き手ねぇ…弱音ハクかしら?」
「そんな簡単でしょうか?違うと思いますけど」
「違う?何が」
「日常シリーズじゃない、もっと大きな何か」
なんだろう。
また箱庭とか、そういう関係かな?
「神威も何か言いなさいよ」
「いきなり振るなよ……さっき言ってた、ムーンリットなんたらとかは?」
「ムーンリット・アート?ないわよ、私は違う」
「ちょっと待ってください、姉さん」
「何よ?」
「ムーンリット、で思い出したのがもう一つあるのですが」
「何よ?(二回目)」
「はい、ムーンリット・アートはいろいろ言われていますよね」
えっと…『白のworld orderを持つ者』『月の女神』『堕天』『初代神管』だったっけか。
「『ムーンリット・シリーズ』の後継者であり、その読み姫。世界にある“本”を理解し、封ずる者……こうも言われていますよね」
「うん」
「そこで…読み姫がいるなら、書き手だっているのではないでしょうか?」
「ちょっと待って、ということは」
「えぇ」
「『ムーンリットシリーズ』の書き手を見つけろ、ということでしょうかね?」
【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 8
お待たせしました。
しかも短いです。
しかも意味不明ですすみません。
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