タグ:【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み
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≪ゆかりさんの非日常な売店日誌 9≫
「前説が無い……ですって? これは天変地異の前触れ!」
ゆかりさんはチェーンソーを振り回しながら言った。
ぶいーん。←ノルマ達成
「やめろよ! なんかむずむずするからやめろよ!」
マキが止めに入る。
「やめろよ、と言われても……。だって考えてみてよ。この状...ゆかりさんの非日常な売店日誌 9
aurora
「ねえ、このシリーズって何年前からやってるの?」
「二年前?」
「今何話?」
「えーと……八話かな」
「もう一つ質問いいかな」
「?」
「第一話で生徒会長はりおんちゃんになっているのに、今追っている生徒会長がラピスちゃんになっていることについて、説明願おうか?」
「……君のような勘のいいガキは嫌いだ...ゆかりさんの非日常な売店日誌 8
aurora
壁が競り下がり、それが何かの入口を指し示しているのだということを、ゆかりさんたちが気付いたのはその壁が完全に地面へ溶け込んでからだった。
「……まじかー」
「ほれみたことかゆかりん」
マキはドヤァ……とでも効果音が付くかのような微笑みを二人に見せる。キヨテルはちなみに、愕然としていた。
「なんか...ゆかりさんの非日常な売店日誌 7
aurora
MGR団を結成した理由は、幾つかある。例えばその一つには『ツマラナイから』というのが挙げられる。
けれども、一番正しい理由は一個だけ存在していてね。
気になる? 気になっちゃう?
それじゃ……言うけど。
MGR団ってのは、何からとっているか、解る?
え? ミク・がくぽ・ルカだって? あん...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 15
aurora
映像を見ていた。
頭の中を、映画のダイジェストのように、記憶が流れていく。
「…あぁ、そうか」
『非現実? こんなの現実の範疇を超えていないくだらないことよ』
笑いながら冷たい目をした初音。
『あのー。ここって……、MGR団、でいいんですか?』
スマホを弄りながら淡々と告げるグミ。
『私だよ。私があ...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 14
ゆるりー
「ムーンリット・シリーズを理解できるのは一応私だけなのよね」
おおう、唐突に訳の分からないこと言い出したぞ。まあ、最初から訳がわからないんだが。
「ムーンリット・シリーズはある人間が作り出したの。それは人であり、凡人であり――“天災”だった」
「“天災”? 天才じゃなくてか?」
「ムーンリット・シ...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 13
aurora
昔話をしてあげる。
いい夢を見れるように、あなたが悪夢を見ないように。
私がこの本を読んであげる。
だから、安心して聞いていなさい。
むかしむかし あるせかいに とある かきて が いました
その かきて が ほんをかくと たくさんのにんげんが そのほんをよみました
そして にんげんたちは そのほん...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 12
ゆるりー
「黄泉を……作り上げる?」
「そうだ」
キヨテルはメガネをずり上げて、話を続けた。
「黄泉というのはどういう空間か知っているかな?」
「簡単に言えば、『あの世』だよね」
「そうだね。日本神話における『死後の世界』ってものだ。大和言葉にある『ヨミ』に漢語の字を充てたものだ。漢語での意味は『地下の泉』...ゆかりさんの非日常な売店日誌 6
aurora
「扉……開けるよ」
ゆかりさんの一声で鉄製の扉は開かれた。
扉は地面に接している。即ち、この扉は地下室へ向かう階段への入口ということだろう。
扉を開けると、中は階段となっていた。とても暗く、明かりがなければ突入も出来ない。
「……眠い」
「暗いからってそれはどうなんだよ!?」
「まあ、とりあえ...ゆかりさんの非日常な売店日誌 5
aurora
-これまでのあらすじ-
「この黄色い髪の子には餌をあたえないでください」
「ゆかりん泣いていい?」
「私を貧乳と言った罰」
「ひどいや」
「そうじゃなくて! ラピスちゃんが居なくなったんだよ!」
「ロリコンは黙ってろ」
「ひどいや!」
≪ゆかりさんの非日常な売店日誌 4≫
「それで……どういうことだ...ゆかりさんの非日常な売店日誌 4
aurora
「暇ですよね」
「ですよねー」
「そういえばゆかりん昔と比べてお嬢様っぽさが無くなったよね。あと胸m」
「死ね」
「チェーンソーを振り回さないで……!!」
ゆかりさんとひとりの女性が話をしていた。ゆかりさんの色を『紫』とするならば、彼女の色は『黄』だろう。
にしても胸の格差が……。
「おいキヨテ...ゆかりさんの非日常な売店日誌 3
aurora
学校の売店とは大抵午前九時頃から開店する。
しかし、ゆかりさんはそういうのがめんどくさいらしく、大体十時位から開き始める。ただ、ゆかりさんはここで寝泊りしているためか、運が良ければ十時前でも開店してくれるのだ。
それは、そんな特殊ケース。
≪ゆかりさんの非日常な売店日誌 2≫
ゆかりさんの朝...ゆかりさんの非日常な売店日誌 2
aurora
「暇ね」
売店の主、ゆかりさんは欠伸を一つして、呟いた。
今は授業中であり、暇である。誰が来るかといえば、サボる生徒くらいだろうか。
これは、ゆかりさんの書く売店の日誌である。
≪ゆかりさんの非日常な売店日誌 1≫
「こんちわー」
「あ、グミちゃん。どうしたの。何が欲しい?」
グミはあたりの...ゆかりさんの非日常な売店日誌 1
aurora
その頃。
「……『箱庭再生計画』。概要だけはご覧いただけたでしょうか」
ケルト調な雰囲気を持った女性は、優しく微笑んだ。
「あぁ。……ありがとうね。ソニカさん」
ソニカと呼ばれた緑の髪の少女は微笑む。
「いえ……では、善処下されば」
そう言って、ソニカは去っていった。
少女は背もたれに寄り...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 11
aurora
抜け穴をくぐって、僕は思う。
この学校の構造、どうなってるんだよ。
なんで壁の中こんなにおかしいんだよ。
いや、そもそもコンクリート掘った初音がおかしいのか。
「っていうかさ、初音」
「何よ、このバ神威」
「酷っ!…いや、さっき『抜け穴作ろう』とか言ってたよな?」
「そうね」
「もうこれあるじゃん!...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 10
ゆるりー
――話は、遠い昔。
ひとりの少女が古びた家で椅子に座っていました。
彼女は病気で、外に出ることを許されませんでした。
少女の世界は、ずっとその家の中だけ。
ずっと、ずっと、ずっと。
≪第一巻・百八十七ページ 『追憶』≫
父親の髪は青かった。
それを受け継いだのか、彼女の髪は水色だった。...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 9
aurora
「でも、ちょっと不思議なのよね」
グミにスマホを返し、初音が呟いた。
「何がだよ?」
「『Team MGR』よ。その言葉を知っているのは、本当にごく一部しかいないのよ」
「さっき言ってた…初音、ルカ、グミ、僕の四人…だったっけ」
「そう。それにMGR団はほんの僅かな時間しか活動してなかったし、箱庭の...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 8
ゆるりー
「なんじゃこりゃ」
そこには文章が書かれていた。
メビウスの輪とは帯状の長方形の片方の端を180°ひねり、他方の端に張り合わせた形状の曲面である。数学的には向き付け不可能性という特徴を持ち、その形状が化学や工学などに応用されているほか、芸術や文学において題材としてとりあげられている。
「……なん...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 7
aurora
「お久しぶりですね」
ドアから入ってきたのは、全く見覚えのない女性だった。
「久しぶり?そうね、確かに久しぶり……かなり時が経った程度には、ね」
初音がよくわからないことを言った。
「あなたは相変わらずですね。使命を終えるまで、ずっとこの世界にいるつもりですか」
「そうね。はじまりの神として、終焉を...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 6
ゆるりー
「……私が、ムーンリット・アート」
待て待て、初音。お前はいったい何を言っているんだ。
「解らないならそれでいいわ。……記憶さえ戻れば、いいんだから」
「ミク姉さん、これを」
気付くとグミは目を覚まして、初音の隣に立っていた。何かを持っていたのだが……果たしてそれはなんだろう?
「……なになに。...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 5
aurora
「はぁ?カミサマ?」
いきなり何を言い出すんだろう、初音は。
彼女はいつも、非現実なこととか、あまり信じることができない話ばかりする。
「そ、カミサマ。あんたは信じるか、って聞いてるのよ」
この鈍感、と初音が付け加える。
今それ言うか?
「カミサマねぇ…、どうでもいいけど、どちらかといえば信じてない...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 4
ゆるりー
「おっ、電話だ。誰からだろ」
初音はそう言って電話に出た。誰からだろう?
「……なんで解ったの」
初音の声が変わった気がした。怒られているわけでもなさそうだが誰からの電話だろう。まさか親というわけではないだろうけど。
初音は事故で姉と両親をなくしている。そのためか、遠い親戚――確か僕の祖父の弟...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 3
aurora
「このまま帰るのも、なんかアレだしねー」
初音が呟く。
僕としては早く帰りたいところなんだけど、残念ながらこの夏期講習、勝手に帰ると先生から連れ戻され説教されるという素敵なプレゼントがあるのだ。
それに、初音が許してくれないだろう。
「というわけで神威、アイス買ってきてよ」
「まだ言うか。それに、夏...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 2
ゆるりー
こんにちは、僕は神威がくぽって言います。神威って呼んでください。
えっ、なんでまた僕が主人公なんだ、って? そんなの知りませんよ。描きやすいとかそんな感じの理由なんじゃないですか?
……さ、てと。
今僕がいる場所は、科学研究部が使っている理科実験室です。僕のいる学校の旧校舎にあります。すっご...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 1
aurora