「黄泉を……作り上げる?」
「そうだ」
キヨテルはメガネをずり上げて、話を続けた。
「黄泉というのはどういう空間か知っているかな?」
「簡単に言えば、『あの世』だよね」
「そうだね。日本神話における『死後の世界』ってものだ。大和言葉にある『ヨミ』に漢語の字を充てたものだ。漢語での意味は『地下の泉』だったんで、それが転じてそういう意味になったらしい。もしくは、夢とか生活圏の外だったとか、闇から派生した言葉だっただとかいろいろあるが……結局は解らないけれどね」
キヨテルはそう言うが、本を見ながら言っているので結局はそれからの情報だろう。知っている風を吹くならもっとうまく吹かせるべきだと思う。
黄泉というのは、あの世。
あの世を人工的に作り上げた――それはつまり。
どういうことなのだろうか?
ゆかりさんは頭をひねるが、彼女が考えてもその答えは浮かんでこなかった。
≪ゆかりさんの非日常な売店日誌 6≫
「……黄泉を作り上げた。それも全て娘のため、なのか」
ゆかりさんはそう言って、歩く。
「きっと、そうとうな親ばかだったんだろうな」
「いや、違うと思うぞ」
「間違ってないでしょ?」
「そうかもしれないが!」
キヨテルとゆかりさんが口論をしている間にマキは部屋の奥に向かっていた。
「ねえ、これって……」
マキが見つけたのは、小さなスイッチだった。
「ぽちっとな?!」
誰の助言も聞かずに、マキはボタンを押した。
ゴゴゴゴゴゴ……!
部屋全体が揺らぎ始めて、ゆかりさんとキヨテルも漸く事態に気づいたようだった。
「ちょっと待てよ!! なんだこれは!」
「知らん! きっと誰がボタンを押したんだ!!」
マキ←こいつです
ゆかり「マキ、お前だったのか」ブイーン
「ゆかりん怖いよ! チェーンソー片手に笑わないでよ!」
「アナタガワルイノデショウ?」
「あっそういえば」
キヨテルがふと何かを思い出したようだった。
「どうしたの?」
「twitterが改行出来るようになったんだって」
「知らねえよ! 必要ない知識だわ!」
「読みやすくなるだろ!? 改行することによって文が読みやすくなるだろうが……!」
「めんどくせえわ! しかも若干情報古いし!」
「色々あってこれ一ヶ月前のデータなんだからしょうがないだろ!?」
「メタい! メタいよ!」
そんな二人の茶番を止めるかのように、ゆかりさんはチェーンソーを掲げて、言った。
「ふざけてねーでこれがなんだか言ってみろっ!!」
「「……ちぇーんそー?」」
ふたりはそう答えた。
ぷちん。
ふたりは、たしかにそう聞こえた。
「そーいう意味じゃないっ!!」
そう言って、ゆかりさんはチェーンソーを振り回し、マキたちの方へと走っていった。
つづく。
ゆかりさんの非日常な売店日誌 6
【生徒会長行方不明事件編・4】
お久しぶりです。
この小説自体は一ヶ月近く前に書いたものです()
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ゆるりー
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