「シーカー、お前本当にここで暮らしているのか?」
サンディはシーカーに連れられ、街から大分外れた家に来た。よく言えば古き良き時代の面影を残した家、悪く言えばただのボロいあばら家である。
「雨漏りもしないし普通の家ですが?」
きょとんと幼い表情で、平然とシーカーは言う。
「お前は何なんだ、シーカー・・・」
僕の呆れ声に、彼は「私は『捜し屋』です」と答えた。
「何を捜すんだ?」
シーカーは僕を脇に抱えて、黒い手袋で指折り数えながら『捜し屋』の仕事を説明してくれた。

曰く、彼の仕事は犬や猫を捜す仕事である。
曰く、頼まれれば人間も捜す。
そして僕には、店番や細々した手伝いをお願いしたいと。

相変わらず馬鹿馬鹿しい程に丁寧な口調だったが、シーカーはちゃんと説明してくれた。
「まあ、『捜し屋』の仕事は副業ですが」
そう胡散臭さ満点な台詞を言いながら、シーカーは悲鳴みたいな音を立ててドアを開けた。流れるような仕種でストーブに火を付けた。
「じゃあ、本業は何だ?」
赤々と燃える炎に白い肌を赤く染めながら、シーカーは唇に人差し指を立てた。
「秘密です」
怪しさも満点だった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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【白黒P】捜し屋と僕の三週間・2

やっぱり短いw
50年前に住んでいた家がボロボロでも、結局住んでしまうレンw

閲覧数:208

投稿日:2011/06/08 15:44:24

文字数:488文字

カテゴリ:小説

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