窓のない部屋の
暗がりの中で
閉じられたドアに
鍵をかける
日の当たる場所で
人々を見ると
輪の外の自分を
思い知らされるから
下を向き
やり過ごそうとしたけど
楽しそうな影が
連なって見えた
疲れ切る夜は
自分が無くなる
すべてが黒色に
溶けていく
誰かが自分を
呼んでる気がする
いや外で名前が
呼ばれている
その人は
部屋のドアを叩くから
ドアノブが少し
取れそうになってる
部屋の中で唯一の
出入口だから
壊れたら最後
本当に終わりだ
鍵を外したら
「助けに来たよ」と
ドアからその人は
手を出した
「きっと明日はよくなると
もっと信じてほしいんだ」
差し出された
手を眺めたとき
確かに気持ちが
動いたよ
手をつかみ部屋に
引きずり込んでさ
ドアノブを壊して
光を閉ざした
二つの影は
暗闇で一つさ
黒色の最後
本当に終わりだ
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