「ねぇ、クオ。」

「ん、何?」

「明日海行くから。」

「ふーん…いってらっしゃい。」

「クオも行くの。」

「え、面倒くさ。」

「準備ちゃんとしてね。」

そう言って、ミクは部屋を出ていった。
思うんだけど、毎回俺の意思無視されてるよな…。
………仕方無い。
準備、するか。
















「クオ!早く起きて!」

「…うるさいんだけど。」

時計を引き寄せる。
まだ6時半じゃん…。

「…おやすみなさい。」

「何寝てるの!起きてってば!」

「ちょっ!!危なっ!!」

まさか跳び蹴りをして来るとは……。
しかも、顔を狙うとか。
誰か避けた俺を誉めてほしい。

「避けないでよ!」

無理言うな…この馬鹿。
…つーか、

「……何か用なのか?」

「あ、そうだった。カイトとメイコさんが待ってるから、早く起きて。」

待ってる?
何か用事あったっけ?

「海に行くって言ったでしょ。急いでね。わかった?」

「はいはい。」

















着替えてリビングへ向かうと、カイトとメイコさんがいた。

「あ、クオ君。おはよう。」

「クオ、おはよう。」

「おはようございます。」

爽やかな笑顔を振り撒くな。
ウザいぞ、カイト。

「じゃあ、出発しましょうか。」

「ですね。」

やっと出発か。
着くまで寝てよ…。
















…海に着いた。

「クオ。早く水着に着替えて、泳ぐよ。」

「はいはい。」

「私達はあっちで泳いでるわね。」

そう言って、カイトとメイコさんは行ってしまった。
…ひとまず待ってるか。
荷物の近くに座って、ミクを待つことにした。













「クオ、お待たせ。………って着替えてないの!?」

「ん、」

やっと来たか。
着替えるのに時間かかり過ぎだろ。

「水着忘れたの?」

「忘れた訳じゃないけど。」

「じゃあ何で、」

「俺、日焼けしたくないんだよね。肌は真っ白なままにしたいし。」

「何女子みたいなこと言ってるの。って言うか、日焼け止めあるでしょ。」

「肌に合わない。」

「……………。」

哀れみの目を向けんな。

「俺はここで荷物見てるから泳いで来たらどうだ?」

「うん…。」

さて…ミクは泳ぎに行ったし、かき氷でも買って来るか。













ブルーハワイのかき氷を食べながら戻ると、騒がしくなっていた。

「……どうしたんだ?」

近くに行くと、ミクの声が聞こえてきた。

「放してよ!」

「一緒に遊ぶだけだって。」

多分、ナンパだな。
頑張れよ、ミク。
そう思いながら、その場を通りすぎようとした。

「無視しないでよ!」

が、ミクに肩を掴まれてかなわなかった。

「……俺は関係無いんで。」

俺がそう言っても、ナンパ男達は納得しなかった。
お前は彼氏か、ぶっ殺すぞ、とか言ってくる。
正直、どうでもいいんだけどな…。

「シカトしてんじゃねぇよ!」

ナンパ男がいきなり殴りかかってきた。
驚いたので、思わず鳩尾に裏拳を決めてしまった。
ナンパ男が倒れ込む。
辺りが静まる。

「…あー…正当防衛ってことで。」

俺に非はない。
ここにいると、騒がしいし、

「ミク、行くぞ。」

「え、うん。」

ミクの手を引いて、荷物のある場所まで歩いた。










「ク、クオ…。」

「ん?」

「あ、あの、」

「………………。」

「えっと、あ………」

「…あ?」

「……あ、ありが…とう…。」

顔を真っ赤にしながらお礼を言うミクが、可愛くて可笑しくて笑ってしまった。

たまには、こんな日もいいかもしれない。





ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

海 ver.檸檬飴

今回はお題の「海」です。
1人だけ大幅に遅れてしまった(^^;
すみませんm(__)m

閲覧数:222

投稿日:2011/08/16 20:19:25

文字数:1,557文字

カテゴリ:小説

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  • 禀菟

    禀菟

    ご意見・ご感想

    クオ漢だな!
    かっこいいぞ!!
    クオは眠かったんだよね、だからテンション低いんだよn((

    2011/08/18 17:57:48

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