とある日の昼下がり。
「マジで~!」
「本当だよwキモイよねw」

私、グミと会社の同僚でもあり、昔からの親友であるミクは、会社の食堂の一角で、
とりとめのない会話に花を咲かせていた。

「あ!グミ!もうこんな時間だ~!」

ミクがふいに立ちあがり、時計を指差して叫ぶ。
時計の針は後数分で午後1時を指そうとしていた。

私とミクは急いで空になった弁当箱をしまった。
「じゃあ私先にいくね~」
「うん、またあとで」

一足先にミクが弁当箱を抱えながら小走りで食堂を出て行った。
完全にミクの姿が食堂から消えた事を確認し、私は舌打ちをし、隣にあったイスを軽く蹴った。

「ホントウザいwマジ死んでよ」


私はつぶやく。



私、グミは、会社の同僚であり唯一無二の親友の、


初音ミクが嫌いです。













            ~巡り廻るナイフの物語~ 第2章「嫉妬する女」 第1話


















弁当箱を脇に抱え、パソコンが置かれたオフィスに入る。
自分の机横のフックにかかっているカバンを手に取り、弁当箱をしまいこむ。

スリープ状態のパソコンを再び立ち上げる。
ミクがこちらに向けて手を振ってきた。

私も振り返した。ほんとキモイ。
できれば関わらないで頂きたい。



私はパソコンのディスプレイに向き直る。
キーボードを操作し、作業を進めていく。この進み具合なら、今日は残業せずとも終わりそうだ。
なんとなく、私はため息をついた。
なんで私がミクのことを嫌いなのかというと、話は私とミクが大学生のときにさかのぼる。
私とミクはその時、どこの誰しもが認める親友だった。
(今も表面上からしたらそうなのだが)













大学生のとき、私は男をフッたり、フラれたりするミクの相談に乗っていた。
ミクはその持ち前の快活な性格で非常に人気があり、交友関係が広かった。
もちろん、男にも分け隔てなく接し、非常にモテた。(だから相談に乗っていたのだが)

私はその時、ミクの幼馴染で同じ大学の初音ミクオと付き合っていた。


しかし、そんな時、私が一人でスーパーに買い物に行った帰り、私は公園のベンチに座りキスをするミクとクオを見てしまった。

「幼馴染なのに、なんでよ!?」

あとから聞いたことなのだが、ミクとクオは同姓だっただけで幼馴染ではなかったらしい。
しかし、幼馴染だと言っていたのはミクの方だ。


私は、ミクにまんまと騙されていたのだ。


それからというもの、ミクは私との友情を裏切るようなことを繰り返した(本人はまるで自覚がないようだが)




そんなことがあり、私はミクの事が嫌いで嫌いでたまらなくなってしまったのだ。











気がつくと、時計は午後4時をさしていた。
私はあわてて仕事を再開させる。途端、ケータイが着信する。

ケータイを開け、受信したメールを確認する。

「今日ヒマ? いっしょに飲み行かない?
                                グミヤ」

グミヤからか・・・確かにこの分なら残業せずに済みそうだし、いいか。

私は返信し、ケータイを閉じ、再びパソコンのディスプレイに神経を集中させた。











ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

巡り廻るナイフの物語 第2章「嫉妬する女」 第1話

「巡り廻るナイフの物語」2章突入です!

補足
舞台は全部の章共通の場所が舞台です。

またこの作品は「不良少女」の3ヶ月前の話です。
(一番最初の話)

閲覧数:346

投稿日:2011/11/03 00:38:17

文字数:1,378文字

カテゴリ:小説

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  • 目白皐月

    目白皐月

    ご意見・ご感想

    こんにちは、目白皐月です。

    えーとすいません、読んでいてちょっと気になったのですが、幼馴染というのは「幼い頃からの親しい知己」であって、血縁関係であるわけではないので(同姓じゃないと幼馴染じゃない、なんてこともないですし)、なんだか会話の流れがおかしい気がします。なので、ミクがグミについた嘘を「幼馴染だから恋愛感情なんて無いといわれていた」か、「幼馴染なのだが従兄妹だと偽っていた」などにした方が良いのではないでしょうか。日本だと従兄妹同士は結婚できますので、後者だとちょっと弱いかもしれませんが……。

    後、時間軸が第一章の三ヶ月前、というのは、かなり大事な情報に見えますので、欄外で補足するのではなく、創作内に盛り込んだ方がいいかなとは思いました。

    ここから先は普通の感想ですが、グミは、そうまでしてミクと友人づきあいしなくてもいいんじゃないかな、とは思いました。顔見るだけでストレスになるんだったら、もう、友達やめちゃってもいいんじゃないのかなあと……。何かメリットでもあるんでしょうかね。お金持ってておごってもらえるとか……それはそれで空しい気がしますが。

    それでは。

    2011/11/04 00:00:12

    • 苺ころね

      苺ころね

      返信おくれてすいません。長らくピアプロに行ってなかったもんで・・・

      あああああやらかしてしまったorz
      まったくその通りでございますorz

      時間軸については2話で本文で説明します^^

      グミとミクの友達関係のモデルは、実は僕と僕の友達の一人との関係なんですw
      大学からの付き合いで、グミとミクのあいだには少し亀裂が入ってしまった、というのをイメージしました。

      僕も一回親友とぶつかりましたしw
      誰しもそういう経験はあると思います。

      2011/11/06 22:58:16

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