俺は鏡音レン。世間では超かっこいいイケてるやつとかいう印象を受けている。・・・そう、俺は。
「超かっこいいイケてるやつになりたいんだ・・・!!」
「何1人でぶつぶつ言ってるの? レンきゅんー」
鏡の前で言い聞かせるように言っていると、リンが後ろでみかんを食べながら聞いてきた。ちなみにリンは姉。俺は弟。・・・ん。
「・・・あのさ、リン」
俺は鏡越しにリンを見つめながら言ってみる。
「俺のこと、呼んでくれないか?」
「えー? 今更なことを・・・w レーンきゅーん♪」
「・・・」
そういえば超かっこいい(以下略はどんな風に呼ばれているのだろう? 俺はその場を離れて、マスターに電話してみた。
『もしもし? レンきゅんからかけてくるとか珍しいー。リンちゃんとなんかあった?』
「・・・」
しょっぱなこれって・・・。俺は気を取り直して尋ねてみた。
「超かっこいいやつって、どんな風に呼ばれてるの?」
『へえ、レンきゅんってばそんなのに憧れてるのかぁー。カイトにもそんな時期あるといいのになー』
「・・・」
『えーと、イケレンって、確か呼ばれてるはず・・・。イケてるレンきゅんの略だよー』
「あああのさ・・・イケレンになるにはどうしたらいい?」
『それはね・・・』
そこでマスターの声が途切れた。・・・でも通話は切れてないから、・・・何があったのかな?
『もしもし!? あー、もうレンきゅーん!w 久しぶりー!!!』
「・・・ルカっていう人」
俺はげんなりする。最近、メイド・カフェが休みだったから、声を聞くのは久々だ。
『っていう人っていうのはやめて? あの怪しい人とはちがうんだからーw』
「そうは言ってもなぁ・・・」
俺的にはどっちもどっちだと思うんだけど。
『もう、レンきゅんはイケレンにはまだまだなんだから♪』
「・・・どうすれば、イケレンになれる?」
しょうがないので、イケレンを知ってそうなルカ(っていう人)に聞いてみる。
『かっこつける』
「なるほど」
意外とあっさりした答えに、思わず頷く俺。そうか、そうすればいいのか。イケレンって思ったほど簡単になれるもんなんだな。俺はルカにお礼を言って、電話を切った。
「レンきゅんも、そういうのに憧れを抱くのですな! いやー、世の中はまだまだ捨てたもんじゃないってねー」
「・・・リン、そのみかん何個目?」
「ん? えーと・・・18個目?? 覚えてない―」
「覚えてないにしては意外と具体的な数字なんだな」
「ちゃーんと数えてたんだよー? でも、忘れちゃってーwww」
にゃははと笑うリン。全く、そういうとことか色々、マスター譲りなのが多いんだからな。俺は心の中でこっそりとため息をついて、リンの隣に座る。すると、
「ほっぺぐにぐにぐにーん♪」
「い、いてててて! や、やめろって、リン!!」
頬を引っ張られた。
「えー、今の顔ぶっちゃけ面白いよ?」
そう言いながらも、引っ張るのはとりあえずやめてくれた。俺は頬をさすって少しでも痛みを和らげてから、テーブルの上に散らばっているみかんの実を1つ手に取り、
「リン、あーんしろよ」
多少かっこつけて言ってみた。
「あははははははははははははははははははは!!!!」
大爆笑された。それもお腹を抱えて、テーブルをバンバン叩いての大爆笑である。
「な、何だよ・・・」
そんなに似合わなかったかな。
「きゃははははは! に、似合わないってことは・・・ないけど・・・w」
「・・・えっ」
リンって、エスパー使えんの?
「使えるよー」
「まじかよっ・・・」
「・・・って、うそだけどー♪」
そう言って、俺の手からみかんの実を奪って食べた。・・・なんだかやぎみたいだな。手紙を読まずに食べたっていう歌を思い出す。
「いくらリンさんでも、さすがにエスパーとかは使えないもん!」
「それ、胸張って言う言葉じゃないと思うけどな」
「何だとー! ほっぺぐにぐにされてもいいのかー!!」
「あはは、やめろって」
「むむー・・・って、ん?」
玄関のドアが開いてミクのただいまーという声が響く。むくれていたリンの表情が途端に明るくなる。
「ミークー!!!wwwww」
「わぁ何々どうしたの?」
「れれれレンきゅんがレンきゅんのくせにメイドのくせに・・・」
「あー、そういえばメイドだもんねーレンきゅん」
「イケレンになりたいっていう憧れを抱いてるの!!!」
「えっ・・・w」
ミクが何やら嬉しそうな感じで俺を見てくる。それからリンを見て、
「・・・それで、イケレンきゅんになったの?ww」
かなり期待を込めて聞く。
「それがねー・・・」
リンの目がキランと光る。俺はなんだか嫌な予感がした。
「リン、あーんしろよ」
「「あははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」」
リンの俺を真似た再現言葉を言った後、2人はものすごーく大爆笑した。
「・・・失礼だなー」
さすがの俺でも少しやさぐれたくなる。
イケレンになるには、果てしない道を行かなければならないようだった。
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