相手の事を考えないでいられる程子供ではないが、
理不尽な仕打ちに耐えられる程大人でもない。
動く事が億劫になった私の肉体と精神は、
成長も老化も停滞してしまったのだ。

カタクリの花が咲く
カタクリの花が咲く

この胸の内を打ち明けてみれば、返ってくる言葉は
気にしすぎだとか大丈夫だとかそんなものばかり。
それが善意だとは理解できている。だが、どう足掻いても
私のこの気持ちを肯定する事は絶対に
ない。

カタクリの花が咲く
カタクリの花が咲く

恐らくは幼少期より得るべき愛情が家庭内に不足していたのだろう。
それを欲しがっているのだろう。
しかし大の大人に無償の愛を注ぐ者などいる筈がない。
いる訳がない。だって面倒だもの。

それでも尚この心は欲しがっている。
受けた傷を、抱えた悲しみを、
「辛かったね」、「頑張ったね」、と肯定してくれる人が現れる日を。
お願い、慰めて、同調して。と、
そう祈った
押し殺した

漏れ出した一滴は春風に消えていった
漏れ出した一滴は春風に消えていった

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  • 非営利目的に限ります

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