#12「襲撃」
その日の深夜、僕は部屋の窓から外を眺めていた
相変わらず外は森ばかりで、明かりがなく暗い
森の方から虫が鳴く声が聞こえる
僕は自然の音を楽しんだ
そして、ある程度楽しむと窓を閉めて寝ようとした
その時、森の入口付近で何かが動いているような気がした
真っ暗でよく見えない
前回同様、何かの見間違いかと思い、閉めようとする
するとゆらりと暗闇で何かが動いた
「やっぱり何かいる?!」
僕は目を凝らした
さきほどまで外を見ていたためか、いくらかは目が慣れている
ゆらりと動くそれは、とても大きい影だった
「人じゃない……動物?」
しかし、動物よりもでかい
その影がこちらにゆらりゆらりと近付いてくる
緊張で嫌な汗が流れる
そして、遂に僕はその姿を捉えた
「あ…あれは!」
僕は思わず絶句する
僕はあれを【一昨日】見たばかりだ
その影は根を脚のように使い、枝を手のように使って近づいてきた
そう、その影の正体は、あの【怪物】だった
「みんなに知らせなきゃ!」
僕は急いで部屋を飛び出すと大声で叫んだ
「みんなぁぁ!おきろ!大変だ!」
僕は繰り返し叫んだ
すると次々に部屋から、眠そうな義弟、義妹たちがあらわれる
「どうしたの~……カイト兄……うるさいよ…」
ミクも目をこすりながら起きてきた
それにつづいてレンもむすっとして自分の部屋から出てきた
「みんな!大変だ!【怪物】が出た!」
「はぁ?お前、何言ってんの?」
レンがフッと鼻で笑った
「カイト兄……寝ぼけてる?夢の話?」
ミクも苦笑いだった
「ち、違う!外を見てみなよ!」
僕が窓の方を指さした
ミクやレンに続いて、他の弟妹たちも外をみる
「なっ!いるだろ?!木の化け物が!」
「え?いないけど……」
ミクがこちらを見てそういった
「そんな馬鹿な!」
「夢でもみたんだろ?まったく……子供じゃないんだから迷惑かけんなよな……ふぁ~」
レンがあくびをして、僕の肩をポンと叩いた
「ち、違う!ほんとなんだ!」
「カイト兄……いいかげんに…」
ミクが呆れてそう言った時だった
ズガーン!!
下の階で爆音がした
「ん?なんだ?!」
レンが真面目な表情になり、階段から下をのぞく
「な!!」
そして、レンは絶句した
「レン君!どうしたの?何か見える?」
ミクがレンに近付いて、下の階を見た
「え……?」
そこで2人が見たのは、壁を壊して侵入してきた、あの【樹木】だった
2人は信じられないといった様子で固まっている
「2人とも!危ないから、こっちに来るんだ!」
僕は二階の一番奥の部屋……つまり僕の部屋に起きてきた子を集めた
「お、おい!下の階にはシスターやマイって子…それに他の義弟たちもいるんだぞ!」
レンが汗をかいて慌てている
「大丈夫だ!それは僕が助けに行く!2人はここでこの子たちを守っててくれ!」
「私も行く!」
ミクが僕の後をついてこようとした
「だめだ!危険すぎる!」
「だからだよ!危険なところにカイト兄一人で行かせられない!」
ミクの真剣な表情を見て、僕は頷いた
「じゃぁ、レン!ここは頼んだぞ!」
「あぁ…分かった。気をつけろよ…」
僕とミクは部屋の扉を閉めたあと、下の階へと急いだ
コメント2
関連動画0
オススメ作品
「Love call」
1, 君と過ごすクリスマス 雨が雪に変わる空
冬の精霊たちが笑ってる 今夜は素直になりたい
いつも恋は二の次で 君を泣かす ダメな僕
だけど君の瞳に守られて 君がとても大切なんだ
白いリボンを ほら ほどいて 頷いてね
勇気出した僕を どうか離さない...Love call(再改稿版)
ありさ
A1
幼馴染みの彼女が最近綺麗になってきたから
恋してるのと聞いたら
恥ずかしそうに笑いながら
うんと答えた
その時
胸がズキンと痛んだ
心では聞きたくないと思いながらも
どんな人なのと聞いていた
その人は僕とは真反対のタイプだった...幼なじみ
けんはる
空いてしまった音は酷く脆く醜くて
傷1つ無い瞳を忌々しく呪うんだ
悔しさの向こう側であなたは泣いている
何ヵ月たっても空は青いままで
ストーリーを不穏にして静かに彩った
馬鹿な強がり
吹雪く桜を踏みつけて
とかげの死骸を消していく
始まりの声なんて聞こえない
見えなくなった桃色...4月22日の貴方へ
前髪ナル
雨のち晴れ ときどき くもり
雨音パラパラ 弾けたら
青空にお願い 目を開けたら幻
涙流す日も 笑う日も
気分屋の心 繋いでる
追いかけっこしても 届かない幻
ペパーミント レインボウ
あの声を聴けば 浮かんでくるよ
ペパーミント レインボウ
今日もあなたが 見せてくれる...Peppermint Rainbow/清水藍 with みくばんP(歌詞)
CBCラジオ『RADIO MIKU』
Embark on flights bos to Iceland that seamlessly connect these two distinctive destinations. Departing from Boston Logan International Airport, travel...
flights bos to iceland
emily4747
いったいどうしたら、家に帰れるのかな…
時間は止まり、何度も同じ『夜』を繰り返してきた。
同じことを何回も繰り返した。
それこそ、気が狂いそうなほどに。
どうしたら、狂った『夜』が終わるのか。
私も、皆も考えた。
そして、この舞台を終わらせるために、沢山のことを試してみた。
だけど…必ず、時間が巻き...Twilight ∞ nighT【自己解釈】
ゆるりー
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想
Turndog~ターンドッグ~
ご意見・ご感想
火炎放射器カモ――――ン!!枯葉剤カモn(ダメだああああ(汗)
とうとう未知の領域に踏み出すか…!
しるるさんが「ほのぼの」という名の究極の剣と鎧を捨て去って、如何なる物語を紡いでゆくのか!(勉強の合間を縫いつつww)見届けさせていただきますぞ!!
2012/06/08 21:59:35
しるる
孤児院に火炎放射機は無いんじゃないかなww
枯葉剤はきかないと思う…だって、相手はすでに枯れてそうでしょ?ww
そうね…
使いなれた剣と鎧は倉庫に入れて、太鼓のばちとTシャツで旅立ちます!
はたして…そんな装備で大丈夫か?←使いどころばっちり!ww
2012/06/09 00:45:43
イズミ草
ご意見・ご感想
ふお!?
【樹木】さん再び登場ですか!!
もう出ないと思って、油断してたぜ…(フッ
ああ!
それがしるるさんの狙いなんじゃ!?\(◎o◎)/!
2012/06/08 20:31:07
しるる
樹木さん再登場です!
あんなにほのぼのしていたのに、それを破壊しに来ましたww
狙い……ふふww
こっちは囮かもしれませんよww←だれだこれ?ww
2012/06/08 21:07:54