舞踏会は翻るドレスの波
麗しき人虎視眈々狙う瞳は数知れず
絢爛なるシャンデリア照らす広間
毒の撒き合いその合間視線の先はわたしのはず

誰もが口吻（くちづけ）を願う薔薇のくちびる
またたく星のような瞳も嫉妬に焼け爛れてしまった！

あなたを恨みましょう思い通りにならないのなら
全部毀して周りを囲む毒蛾どもごと
あなたを愛しましょう思い通りにもならないから
その瞳が光を失い呼吸止めても
白い眦撫でてあげるわ

食べるものは甘い蜜甘い夢
なのに鏡に写る顔どうしてこんな醜いの
好きなものは人の噂人の不幸
恋した日々が宝物あんなにもほら輝いてるのに

特別の一人になりたい見果てぬ夢と
嘲笑う声波と押し寄せ鼓膜は腐り落ちてしまった！

あなたを呪いましょう悪魔に命売り払っても
何も惜しくない引き換えにして手に入るなら
あなたを救いましょうわたし以外の全ての枷から
奪い去りたい飢えるほどに籠の中ふたり
愛でられるねぇ幸せでしょう？

（贅沢という文字を知っている？）
（贅（にえ）がたくさん、と書くのよ）

毀した世界の新たなる梁礎となり
其処にあなたを柩の中永久（とわ）の眠りに
わたしが願った思い通りの魔法の世界
冷えた骸の悪夢の城愛し合うふたり
その夢で踊り続けて
その足が朽ちるまで

ワルツインナイトメア