毎日のように、マスターと女性は通話をしていた。
そのたび、ミクは話を聞かないようにした。
聞いてしまうと、悲しくなるから。


ふと、会話が止まった。
そしてマスターは、ミクを起動させた。
無言で、マスターは黙々と打ちこむ。
ミクは、打ちこまれた歌詞を読む。
相手を満足させられない自分への憤り。
他の誰かと話す相手への独占欲。
それはまさに、今のミクだった。
(恋……私はマスターのことが、好き……?)
知らなかった『恋』という感情に、ミクは戸惑う。
でも、わかったことがある。
マスターは、あの女性のことが好きなのだろう。
それで、この詞が生まれたんだろう。
ミクは、マスターを。
マスターは、あの女性を。
想う人は違えど、想う気持ちは同じだった。

---

ミクは精一杯歌った。
その詞がミクの想いとしてマスターに伝わることはない。
そんなこと分かっている。
でも、信じたかった。消し去りたかった。
希望を。絶望を。


「完……成……っ!」
パソコンの前に座るマスターは、満面の笑みでそう言った。

自由に喋ることができないミクは、自分の想いをマスターに告げることはできない。
でも、歌でマスターを笑顔にすることはできる。
ミクは思う。

どんな歌でも頑張って歌うよ。

マスターという大好きな人を、笑顔にするために……

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

恋の詞 3

もう遅いとかそういうレベルじゃない気がしてならないわけですが。

普段は人型機械としてボカロを書いている身として、データのミクも書いてみたかったのです。言葉の不自由なミクも。
マスターへの想い。言葉を発することができないミク。
ボカロの定番テーマ(?)とも言えるこの2つの中で、少しでも私らしさが出ていれば嬉しいです。

一応、今後の投稿予定はなく、またHPでのんびりやっていこうかと思っています。
が、あくまで予定は未定。気が向いてひょっこり現れるかもしれません。
その時は、「またおまえか」などと呟きながら付き合ってくれるとありがたいですw

それでは。最後までお付き合い下さり本当にありがとうございました。

閲覧数:151

投稿日:2009/09/01 09:26:30

文字数:565文字

カテゴリ:小説

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  • 猫羽-myowa-

    猫羽-myowa-

    ご意見・ご感想

    別におkでふwww
    待ってるぜww

    2009/09/04 22:32:15

  • 筑紫優愛

    筑紫優愛

    ご意見・ご感想

    >みま様
    本人公認ぬこwwww
    ぞ、続編……!? そ、それは……データミクの設定のみ引き継ぎでおkでしょうかwww

    2009/09/02 16:14:06

  • 猫羽-myowa-

    猫羽-myowa-

    ご意見・ご感想

    やほ…あれ、わかる?
    ぬこです。やほー(改
    続編希望します!w

    2009/09/01 14:21:28

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