＃２６－２「みんな！緊張の一瞬！」



今日は、リンの部屋で姉弟が2人で寝ている

部屋は真っ暗…

時計の秒針のカチカチという音だけがひびく…


「レン……もう寝た？」


リンは小さな声でレンに向かって話しかけた

リンは少しだけだが、返事が返ってこなければいいなと思った

しかし、返事は返ってきた


「ううん…起きてるよ」


リンはドキッとしながらも、ネルとの約束を果たし、自分の決意、想いを伝えようとしていた


「レン…あのさ…私……レンに言いたいことがあるんだけど…」

「ん？なに？」


部屋が暗くて、お互いの表情は読み取れない


「えっと……その……私…………」


リンが口ごもる


「……実は俺もリンに言いたい事があるんだ」

「え？！」


レンは突然そう言いだした

リンはドキッとした


「……何？」

「今日、テイさんから助けてくれてありがとう」


リンは少し気落ちした

別に期待していたわけじゃないけど、レンも好きっていってくれるのかと全く考えなかったわけではない…




「ううん…今日、レンを助けたのは、赤い髪の人だよ」

「ううん、俺が目を覚ました時、一番近くで心配してくれたのは、リンだった」


確かに、レンに一番最初に駆け寄ったのはリンだった


「あ……あたりまえでしょ！…姉弟なんだもの！」


リンは自分でそう言いながら、ズキンと胸の奥が痛かった


「そっか………俺さ……リンのこと…好きだ…」






え？



好き？

レンが？私を？


あぁ…そうか…姉弟、家族としてってことか……




「……うん。私もだよ。ミク姉も、メイコ姉も、カイト兄も、他のみんなも…」


リンは自分でそう言いながら、むなしかった


「……違うよ」

「え？」


レンが否定する


「俺は、リンのこと……異性として好きなんだ…」

「………え？」


リンは今の状況を理解できずにいた


「俺たちは姉弟だから、色々と問題はあるかもしれないけど…俺はリンとずっと一緒にいたい！」


リンからは、暗くて、レンの様子はわからないが、真面目に必死に話していることはわかる




「……なんて、リンの気持ちも考えずにこんな勝手なことが許されると思ってない。だから、別にリンからの返事はいらない。ただ、俺の気持ちを伝えたかっただけだから………ごめん、おやすみ」


レンがそういうと布団にもぐったような音がした



「ずるいよ……」


今まで黙っていたリンが、小さな声を発した


「レン…ずるいよ…ぐすっ」


リンは自然と泣いていた

そのすすり泣きをきいて、驚いたようにレンが


「え？！リン！！どうしたの？」


と慌ててきいてきた