ひらり ひらり ひらり
とりどりの蝶が飛ぶ
優しい色の翅が陽に透ける
懐かしい誰かが声を掛けた
幼い時の想い出
ふわり ふわり ふわり
どこからともなく蝶が生まれる
見守る翅はいつも七色
耳元で誰かが笑った
遠い日の出来事
ほわり ほわり ほわり
導くように蝶が舞う
極彩色の翅がガラスのように揺らぐ
草原には静かに風が吹く
生まれる前の想い出
ぷかり ぷかり ぷかり
目の前を見知らぬ蝶が横切る
初めて翅に指が触れた
振り向かずに後を追った
現実にはない出来事
はらり はらり はらり
共に歩んできた蝶が
ゆっくりと闇に沈んでゆく
気付けば広がる翅に飲み込まれた
最期の刻の想い出
音のない想い出
艶やかで透明な出来事
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