【NearEmpty】
a
今日も気怠い頭は なんだか朦朧として
一点を捉えた視線は 空っぽの空虚だ
a
何のために目覚めたのか 分からない暗い朝
いつもなら容易く紡げる 言葉さえ皆無だ
b
ちょっと肌寒いな、適当に掴み羽織るダウン
それでも凍てつくように指先は悴んだまま
毛布にくるまって得る温もりと少しの優越感
整った木目なぞりながら沈むように眠った
s
あの日届けられずいた声のせいで
白に戻れなくなった僕がいる
「自由」を裏返して見えたのは 「何も出来ない間抜け面」だ
s
ふわり意識が点滅する目眩を
張り詰めた糸が千切れたせいにした
無垢だっただけの罪に囚われては
何度目の 灰色を 流し見てきたんだろう
a
やけに懐かしく染まる 不気味な赤い空
放っておけばすぐ 闇に巻き込まれるのに
a
強く噛み締めた痛みで 始まるくだらない朝
何度傷口を抉っても笑えない 何故だ
b
お腹がすいたな、手に取る物は無機物ばかり
冷たげに僕の中でがむしゃらに飽和して
散らかったテーブルの上には募った劣等感
鏡に映った少しだけ痩せた僕が揺らいだ
s
優しい言葉を信じて飲み込んだ
柔い果実が僕を狂わせていく
甘ったるい快楽の代償に 差し出すのは僕の顛末
s
誰かがそばにいなきゃ立てないくせに
君がそこに居たら泣けないじゃないか
言葉にならない声が熱くなって
火傷した 喉元を 親指で塞いでいた
c
痕(あと)を残すことで 見つめあえる気がした
刻み付けることで 何か変わる気がした
随分と痛ましくなった 右腕彩るアートは
紛れなく僕が欲した 今を生きた証になる
s
危ないものが手放せなくなってた
僕を見て君は物憂げに微笑む
甘ったるい快楽の代償を 君がもしも惜しむのなら
s
膿んで潤んだ心は無色になる
痣が増えるたび口角が綻ぶ
僕が呼吸を重ねる意味を教えて…
今日もまた 「日常」を 虚ろに塗り替えてく
明日もまた あっけなく 登る朝が無になる
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想