落下した海底が
傷はどうした、と、云うから
「ああ、それなら今さっきあの娘にあげてきたよ。」
そう 半円をぶら下げた、
のです。
離れなくてもいいように、
離れなくてもいいように。
だけど、
そろそろ留まれないみたいなんだ
この下肢はずたずたで痛いのに
淑やかな花が背を押す
清らかな声で手を振る
僕は頷く
髪は重いから
少し此処においていこう
きみにつたえて。
睫毛はもう濡れないよ。と、
骨みたく鳴っていた
雨が止まない、と、云うから
「ああ、それなら今さっき二月が攫ってたよ。」
こう 作りごとを重ねた、
のです。
離れた後も善いように、
離れた後も善いように。
だから、
ぞろぞろ引きつれ合う群れをみては
その夢がぼろぼろになったのを
見て見ぬ振りして背を向ける
ささやかな愛が手を叩く
僕は笑った
わらった。
電車の間に
少しきみを残していこう
思い出しても
なにもわからなくなるよ。と、
――落下した海底が
傷はどうした、と、云うから。
らら らら
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